阪神ドラ1佐藤輝 “宜野座デビュー”で140メートル弾 あいさつ代わりの4発「もっと引っ張りたい」

[ 2021年1月30日 05:30 ]

<阪神沖縄合同自主トレ> フリー打撃で豪快な打撃を披露した佐藤輝(撮影・大森 寛明)
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 阪神の沖縄合同自主トレが29日、キャンプ地である宜野座村の「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」でスタートした。ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)は今年初の屋外フリー打撃に臨むと、推定最長140メートルのバックスクリーン直撃弾を3発放つなど41スイング中4本の柵越えを披露。黄金新人にふさわしい、圧倒的なパワーを見せつけた。

 宜野座に衝撃が走った。新人合同自主トレを完走し、迎えた21年初の屋外フリー打撃。類いまれな長打力がついにベールを脱いだ。

 「まあしっかり芯で捉えることができればいいかなと。(感覚は)悪くないと思うのでここから上げていきたいと思います。本当はもっと引っ張って打ちたいんですけど、それはこれからですね」

 硬さもあったのか序盤こそ打ち損じが見られた。だが、徐々に鋭いライナー性の打球を連発。すると、圧倒的かつ破壊力抜群のパワーを示したのは16スイング目だった。鈍い衝撃音とともに放物線を描いた打球は、バックスクリーンの中間付近に直撃する推定130メートルの“1号”。浜風を思わせる右翼から左翼方向への風にも、ビクともしなかった。18スイング目には逆方向の左中間席を越える一発。広角に打ち分ける能力も示した。

 だが、これだけでは終わらなかった。28スイング目に放たれた打球は勢いが全く衰えぬまま、バックスクリーン上部への推定140メートル弾。新人合同自主トレ期間に平田2軍監督から「柳田(ソフトバンク)のようなスイング」と称賛されたが、誇張でも何でもない。15年にDeNA・三浦(現監督)から放った、横浜スタジアムのスコアボードの一部を破壊する本塁打を思わせる一撃に、周囲から驚きの声が上がった。

 「もっと確率よく打てるようにというのはずっと課題ですけど、そこはしっかり頭に入れてやっていきたいと思います」

 結果的に41スイング中4本の柵越えで、そのうち3本がバックスクリーン弾。安打性も23本と上々の滑り出しだったが、満足の2文字はない。むしろ、初めて同じメニューをこなした大山ら先輩から刺激をもらった。「一人一人こだわってやっているなというのは見えたりして。飛距離もすごいなと思いました」。1カ月間の共同生活でさまざまな技術、考えを吸収する。

 この日の宜野座は最高気温15度と肌寒い気候ながら、集結した全36選手の中で唯一スパッツを履かずハーフパンツを着用した。「全然大丈夫です。気候に慣れます」。寒さも吹き飛ばす熱量とともに、伝説の第1章が幕を開けた。 (阪井 日向)

 【阪神の主な新人 宜野座合同自主トレ初打ち】
 ★04年鳥谷 敬 沖縄到着一夜明けの1月27日、休日返上して室内練習場でティー打撃とマシンで約500スイング。早大卒業試験でのブランクを取り戻すと、28日のフリー打撃では32スイング中柵越え7本。「緊張しましたけど、普通に打てました」。大物の予感を漂わせた。
 ★14年梅野隆太郎 1月27日、フリー打撃で10球目を左翼席へ推定110メートルの初アーチ。「打つのは今年初めて。感じよく打てました」
 ★17年大山 悠輔 1月29日、フリー打撃で18球目を左翼席へ運び初の柵越え。「周りの方々とのレベルを比べたら、自分はまだまだ」とプロの壁を実感。
 ★19年近本 光司 1月29日、フリー打撃59スイングで柵越えは1本ながら、鋭いライナー性の打球を連発。「いい感じで、いい汗かけました」

 《「挑・超・頂」Tシャツを着用》先乗り合同自主トレでは全選手、スタッフが胸に今季スローガンである「挑・超・頂」の文字が入った黒のTシャツを着用して練習した。16年ぶりの優勝という悲願達成に向け、チームの一体感は高まっている。なお、同Tシャツは2月1日に発売予定で、チームショップアルプス、T―SHOP、その他公認ショップで購入できる。

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