柴田、春夏通じ初聖地 公立校が全員野球で初勝利狙う 仙台育英と宮城勢W選出

[ 2021年1月30日 05:30 ]

「夢実現」野球部のテーマのもと練習に励む柴田ナイン(撮影・西尾 大助)
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 第93回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)の選考委員会が29日、オンライン形式で行われ、柴田が春夏通じて初、仙台育英は2年連続14度目の出場を決めた。宮城勢のダブル出場は01年以来20年ぶり。柴田はエース・谷木(やぎ)亮太投手(2年)を中心に聖地初勝利を狙う。

 信じていた。それでも、吉報が届くまでは、不安もあった。春夏通じて初の甲子園出場。柴田ナインは、寒風の中で喜びを分かち合った。平塚誠監督は胸をなで下ろしていた。

 「新チームが始まったとき、練習試合で2日で4敗したり…。“私が来て11年目で最弱だよ”と。この子たちは悔しい思いを力に変えて、奮起してくれた。選ばれることを考えて冬も練習してきた」

 86年創部の公立校野球部。私学の壁を破ることができず甲子園には届かなかったが、全員野球で扉をこじ開けた。昨秋の県大会は3位で東北大会へ。1回戦で学法石川を破ると、青森1位の八戸学院光星、福島1位の東日本国際大昌平、山形1位の日大山形に競り勝った。初の決勝では仙台育英に大敗を喫したが、春秋通じて初の東北大会準優勝。遠藤主将は「みんなで和を意識してやってきた。日頃から支えてくれる親や先生たちに感謝して、持てる力を出し切りたい」と力を込めた。

 大黒柱は、エース・谷木だ。新チームからベンチ入りを果たした右腕は、スライダー、チェンジアップを新たに習得。東北大会準決勝では日大山形を6安打完封するなど、快進撃の立役者となった。

 「今は一番自信のある球はチェンジアップ。全国に出てくる高校は強いところばかりだと思うけど、気持ちで負けないようにしたい」。

 冬のトレーニングの成果で体重は4キロ増えて77キロになった。憧れの甲子園まで約2カ月。さらに成長した姿で、マウンドに上がる。(川島 毅洋)

 ○…柴田のスピードスターが甲子園での大暴れを誓った。50メートル6秒1の俊足を武器に1番に座る我妻(あがつま)は「東北大会は活躍できずに迷惑を掛けた。自分が出塁して流れを持ってこられるようにしたい。甲子園で盗塁を3つは決めたい」と意気込んだ。冬は間食を増やし体重は5キロ増の65キロ。「70キロくらいまでいきたい」と食トレも継続する。

 ▽柴田 1986年(昭61)創立。全校生徒は442人(うち女子191人)。野球部は同年に創部。OBに小坂誠(ロッテコーチ)ら。所在地は宮城県柴田郡柴田町大字本船迫字十八津入7の3。土生善弘校長。

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