ロッテ・朗希 マー君と「同じステージにいられるのは夢のよう」 投げ合い実現誓う

[ 2021年1月30日 05:30 ]

ブルペンで捕手を立たせたまま投球練習する佐々木朗
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 ロッテの佐々木朗希投手(19)が29日、石垣島春季キャンプの先乗り自主トレで、ブルペン投球を披露した。捕手を立たせて21球。昨季は実戦登板なしに終わったが、プロ2年目はここまで順調に仕上がっている。岩手県出身の最速163キロ右腕にとって、8年ぶりの楽天復帰が決まった田中将大投手(32=ヤンキースからFA)は憧れの存在。投げ合いを夢見て、2月1日のキャンプ初日からブルペン入りする。

 こんな顔はめったにお目にかかれない。まるで少年のように、佐々木朗は目を輝かせた。

 「僕が小学生ぐらいの頃から活躍していた。僕、ユニホームを持っているんです。(投げ合えたなら)夢みたいです」

 25日に石垣島入り。27日に次いで2度目のブルペン投球に臨んだ。報道陣の前で投球するのは、昨年5月26日のシート打撃登板以来。しかし、2年目右腕はその内容よりも、8年ぶりに日本球界に復帰する田中の話題に前のめりで応じた。

 岩手で生まれ育った最速163キロ右腕にとって、楽天の絶対エースとして君臨した田中は特別な存在だ。「(楽天生命パークには)2、3度行ったことがある。ユニホームは1つだけど、応援グッズはたくさん買った」と思い出を明かす。

 東北地方は10年前、11年の東日本大震災で悲しみに暮れた。朗希少年も津波で父を亡くした。その2年後、田中は無傷24連勝を飾った。そして11月3日。巨人との日本シリーズ第7戦で9回に登板し、ピンチをしのいで胴上げ投手となった。

 佐々木朗は当時、小学6年生で、その瞬間を自宅でテレビ観戦した。同日は12度目のバースデー。画面越しからも、球場が揺れるのが分かった。「僕の誕生日だったのでうれしかった。あんなに球場にいる人たちを魅了できるのは才能。うらやましいです」。一生忘れられない記憶だ。

 「(田中が)メジャーにいたので、プロ野球という同じステージにいられるのは夢のような気分です」。投げ合うには体づくりに専念した昨季からの進化が不可欠となる。

 投球フォームは1年前から変わった。「自分に合ったものを模索している段階」とテークバックを大きく使い、切れのいい直球を投げ込んだ。2月11日の紅白戦で実戦デビューの可能性があり、「キャンプ初日もブルペンに入る準備をしています」と抱負。才能は、田中にも負けない。「令和の怪物」の2年目が始まる。(横市 勇)

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