大谷、二刀流へのゴング鳴る 紅白戦“痛烈”二塁打&ブルペン37球

[ 2020年7月13日 02:30 ]

再開後実戦初出場で好調をアピールしたエンゼルス・大谷
Photo By ゲッティ=共同

 2年ぶりの二刀流復活へ、また一歩進んだ。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が11日(日本時間12日)、本拠地エンゼルスタジアムで紅白戦に打者として出場。キャンプ再開後の実戦初打席で、左翼線へ二塁打を放った。7日の紅白戦登板後、腰の張りを訴えていたが、順調に回復。試合前にはブルペン投球も行い、24日(同25日)のシーズン開幕に向けた戦闘態勢は着々と整いつつある。

 ブルペン投球を終えて左手にグラブ、右手にスパイクを抱えてダッグアウトへ引き揚げていく大谷に、コーチから声が掛かった。「打ってみないか」。背番号17が30分もたたないうちにヘルメットをかぶり、肘当てを着けて登場した。

 キャンプ再開後初の打者としての紅白戦。第1打席でいきなり見せた。カウント1―2と追い込まれながら、直球を捉えて左翼線二塁打。「体の状態も良かったので打ってみました」と冷静な口ぶりだったが、大谷らしい痛烈な打球だった。キャンプ中断前のオープン戦では打率・105で、2安打はいずれも単打。状態の良さを示した。第3打席では遊撃正面のゴロでアウトになったが、際どいタイミングに持ち込む快足ぶりも健在だった。

 7日の紅白戦に先発。18年10月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕にとって、同年9月2日アストロズ戦以来674日ぶり実戦登板を果たした後、腰の張りを訴えていた。8~10日は軽めの調整。「腰は日ごとに良くなってきていて、今日はあまり症状もなかった。(張りは)もう過ぎたのだと思います」と回復を実感し、実戦で結果を出した。

 ブルペンでは「気分も良かったので投げてみました」とスライダー、カーブを交えて37球。遠投も約70メートルまで距離を延ばし、力強い投球を披露した。

 ジョー・マドン監督はこの日の練習前、大谷が腰に張りを抱えていたことを明かした上で「何も心配ない。次週には紅白戦で投げられると思う」と軽症を強調。ボクサーにたとえ「まばゆいライトを当て、ゴングを鳴らせばいいだけ(He needs bright lights. He needs a bell to ring.)」と予告していた。その発言から3時間足らずで順調ぶりをアピールした大谷。開幕後の「リング」で投打に大暴れする。


 《中断前の大谷 OP戦は不振》大谷は3月中旬に中断するまでのオープン戦で、打者として9試合に出場。24打席に立ち19打数2安打(打率.105)で長打なし、11三振と調子が上がっていなかった。1年目の18年も11試合で打率.125(32打数4安打)、長打ゼロと低調。2年目の昨季は右肘手術のリハビリ中で出場がなかった。

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