12年前の「田沢ルール」時代に合った整備必要

[ 2020年7月13日 22:00 ]

BC埼玉入団会見でユニホーム姿を披露し、笑顔を見せる田沢純一投手(撮影・河野 光希)
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 【記者の目】よく使われる「田沢ルール」という言葉だが、これは正式名称ではない。08年9月の田沢純一投手のメジャー挑戦表明を受け、NPBが12球団の申し合わせ事項として決めたもので、野球協約には明記されていない。田沢はこのルールを承知の上で海を渡ったのではなく、メジャー挑戦を決めた後に作られたルールである。

 それから12年が経過した。田沢以外にルールが適用される選手は、18年8月にダイヤモンドバックスと契約した吉川峻平投手(元パナソニック)1人だけだ。その意味では、抑止力は働いている。若い人材の海外流出を防ぐには、ルールは必要だ。「とりあえず米国。駄目ならすぐに日本に帰ればいい」というアマチュア選手が増えれば、日本のドラフト制度自体が崩壊してしまう。

 ただ、「海外の球団退団後、高卒は3年間、大学・社会人出身は2年間、NPBでプレーできない」という一律のペナルティーは妥当なのか。田沢はレッドソックスで世界一を経験するなど、メジャーで実績を残し、17年のWBCの際には侍ジャパン招集も検討された。例えば、メジャー在籍6年間のFA権取得など、一定の成功を収めた選手は適用外の措置があってもいいのではないか。

 18年を最後にメジャーのマウンドで投げていない田沢が、来年以降、メジャー契約を勝ち取るのは決して簡単ではない。NPBでプレーするにも、現行ルールでは21年のドラフトで指名されなければいけない。現在34歳。「2年間」は選手生命にも影響する。

 昨年、MLBドラフトで1巡目指名が確実視されたカーター・スチュワート投手がソフトバンクと契約し、米球界を驚かせた。日米で事情は違うが、スチュワートに「罰則」はない。時代に合ったルールの見直しや整備があってもいいのではないか。(スポーツ部野球担当部長・甘利 陽一)

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