阪神・岩貞 8回3安打無失点で今季2勝目「バッテリーでつかみとった勝利」

[ 2020年7月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1DeNA ( 2020年7月12日    甲子園 )

8回2死一、二塁、梶谷を空振り三振に仕留め、ガッツポーズの岩貞(撮影・北條 貴史)
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 阪神・岩貞祐太投手(28)が12日のDeNA戦に先発し、8回3安打無失点で今季2勝目を挙げた。守護神・藤川が登録抹消となったショックを振り払う快投。自身4年ぶりの完封こそならなかったが、魂の114球は甚大な豪雨被害に見舞われた故郷・熊本にも勇気を与えた。

 闘志をまとわせた1球で、今季2勝目をたぐり寄せた。1―0の8回2死一、二塁。初めて得点圏に走者を背負ったこの試合最大のピンチでも、岩貞の気持ちは一歩も退かなかった。

 「もちろん点は取られるつもりはなかった。(最後は)気合のフォークでした。バッテリーでつかみとった勝利だと思います」
 1ボール2ストライクからの5球目。梅野とともに選択したのは、真ん中低めのフォークだった。好調・梶谷のバットが空を切る。溜め込んだ感情は、拳を突き出す渾身(こんしん)のガッツポーズに姿を変えた。

 140キロ台前半の直球を軸にチェンジアップやフォークなどの変化球を、徹底して低めに集めた。4回までは無安打。5回1死から宮崎に左前打を許したが、続く戸柱を二ゴロ併殺で再びリズムに乗った。終盤になっても球威は落ちない。先制した直後の7回1死一塁では佐野、ロペスを2者連続三振。甲子園の虎党からも力をもらい、1点を死守した。

 「準備に入りましたけど、強力な中継ぎ陣がいるので9回はバトンタッチという感じでした」

 守護神不在のショックも振り払った。この日の朝には、出場選手登録抹消となった藤川から「離れるけど、頼むな」という連絡が届いた。苦しいリリーフ陣の台所事情に拍車を掛ける事態。先発としての役割を最大限果たすべく、8回裏の攻撃時にもベンチ前でキャッチボールを行っていた。114球の球数と2点目が入ったことで、最終的に首脳陣が9回をスアレスに託すことを決断。4年ぶりの完封こそお預けとなったが8回3安打無失点の好投で、16年9月4日以来1407日ぶりとなる甲子園でのDeNA戦勝利を挙げた。

 負けられない理由はまだまだあった。故郷・熊本が、甚大な豪雨被害に見舞われた。失われた日常。それでも、現地の友人からは激励の言葉が届いた。「みんな見ているから頑張ってくれ」。仲間の姿を思い浮かべ、心を奮い立たせた。

 「(熊本の)厳しい状況も伝わってきますし、少しでも活力になればと思って必死に投げました」

 魂を込めた夜。思いを体現した左腕の横顔に安どがにじみ出た。(長谷川 凡記)

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