プロ野球、GT伝統の一戦で開幕! 巨人・原監督「巨人ファンも阪神ファンも大いに盛り上がる」

[ 2020年6月2日 05:30 ]

練習前にナインに訓示する巨人・原監督(右)
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 プロ野球は1日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期され、19日に開幕する公式戦の一部日程(セは7月23日、パは同19日まで)を発表した。本拠・東京ドームで2年ぶりに阪神と開幕で激突する巨人・原辰徳監督(61)は改めてリーグ連覇を宣言。コロナ禍の逆風の中、球界が一体となって突き進む「覚悟」を口にした。「コロナ特例」の変則ルールも歓迎し、「2020年型」の戦い方で勝ち進む。

 異例のシーズンは、プロ野球最古の2球団が開幕戦で激突する。くしくも勝てば12球団最速で6000勝に到達。原監督は東京ドームでの練習を指揮し、胸を高鳴らせた。

 「巨人ファンも、阪神ファンも大いに盛り上がるところ。追い風も逆風も吹くでしょうけど、全員でゴール目指していく覚悟です」

 コロナ禍の中、スポーツ界で先陣を切って開幕を迎える。言葉の指す「全員」とは12球団だけではない。ファン、メディアも含む全員。チームの枠を超え「プロ野球全体で動く。ゴールを目指して突っ走る覚悟でいます」と決意を口にした。

 NPBは「コロナ特例」としてベンチ入り選手の拡大、3時間半や9回打ち切りの時間制限も模索している。原監督は「ファンが興味のあるドキドキするルールがいいと思う」と提案。変幻自在のタクトで通算1024勝を積み重ね、「2020ルールがあっていいと思う」と変則ルールは大いに歓迎だ。関東で約2週間5カードを戦い、西へ移動する変則日程もいとわない。

 柔軟さは練習試合の段階から示された。きょう2日からの全12試合で11試合が東京ドーム。梅雨の時季のため屋内球場が多く組み込まれたが、本拠地ながら数試合を「ビジター」として戦うことを相手球団に願い出たという。球場入りも、練習時間も遠征に合わせて設定。先攻、後攻を入れ替える案も検討する。

 前日はテレビドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」を見て感銘を受けたという。敗戦後、混乱を極めた占領下の日本で復興や独立に向けて尽力していく吉田元首相の生きざまが描かれていた。「勉強になったなあ。老体にむち打ってさ。凄い歴史を感じた」。コロナ禍の現在と重なるものはあるだろう。

 プロ野球が暗い日本に灯をともす。「スタートするからにはやっぱり(コロナに)打ち勝たないとね。目標は春先に言っていた優勝であるということに変わりはない」と原監督。削減された120試合を長丁場と捉え、リーグ連覇へ歩み始める。 (神田 佑)

 《開幕は過去14度対戦、巨人の6勝7敗1分け》巨人が開幕戦で阪神と対戦したのは過去14度。対戦成績は6勝7敗1分けだが、東京ドームに限れば96年から3連勝するなど4勝3敗と勝ち越している。原監督は02、14、18年と指揮し1勝2敗。前回の18年は1―5で敗れており、雪辱したいところだ。

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