東京都高野連 独自大会7・18開幕決定 東西V校対決プランも浮上

[ 2020年6月2日 05:30 ]

会見する東京都高野連の武井克時理事長
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 東京都高野連は1日、都内で緊急理事会を開き、中止になった全国高校野球選手権東西東京大会に代わる独自大会の開幕を当初予定から1週間延期し、7月18日とすることを決めた。名称は「2020年夏季東西東京都高等学校野球大会」に決定。例年通り、東西に分かれて開催し、日程次第ではそれぞれの優勝校が対決する夢プランも浮上した。

 厳しい条件下でも、開催へ活路を見いだした。東京は甲子園中止が決定する前から独自大会開催を掲げ、7月11日開幕予定としていた。ところが、5月28日に東京都教育委員会が発表した感染対策ガイドラインで示された都立校の部活動再開は6月15日から。武井克時理事長は会見で「6月15日から7月11日(開幕)では準備できない。しかも1日の在校時間が6時間程度と短い上に週3、4日の登校。規定の授業時間をやって、休憩時間を挟めば練習は数十分しかない。大会が開けるのか」と中止も覚悟したことを明かした。

 この日は午前から高野連役員が関係各所への問い合わせに奔走。武井理事長も「都教委とやりとりしながらさまざまなことをお話しした」。ドタバタの中で迎えた緊急理事会では医師からの意見なども参考に、準備期間は2~3週間あれば大会に臨む準備はできると判断。7月1日から平常の学校生活に戻ることも想定に入れ「7月18日から始めたらどうにかできる」という意見で一致し、1週間延期して開幕を決めた。

 トーナメント方式で争う公式戦。無観客で実施し、優勝旗も準備する。ベンチ入りは例年通り20人とするが、毎試合の入れ替えを検討する。決勝は8月中旬を見込んでおり、武井理事長は「日程的に許されるなら東西優勝校の対決も検討したい」とし、例年では見られないプランが実現する可能性も出てきた。

 緊急事態宣言が再び発令された場合は中止となるが、武井理事長は「甲子園にはつながらないが、頑張ってきた成果を発揮する場をつくってあげたい」と切実に願った。(松井 いつき)

 《夏の甲子園では3度激突》○…夏の東京大会が東西分離開催になったのは74年の第56回大会から。過去46度のうち、甲子園での東京勢対決は初戦でいきなりぶつかった77年2回戦の早実(当時東東京)4―1桜美林、95年準々決勝の帝京8―3創価、10年3回戦の関東第一10―6早実の3度。いずれも東東京勢が勝利。センバツの東京勢2校出場は21世紀枠を含め42度あるが、東京対決は72年決勝の日大桜丘―日大三の1度だけ。日大桜丘が5―0で勝利し初出場初優勝を果たした。

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