広島・会沢残留!義理人情の男、FA権行使せず「愛情はもちろん、恩もある。来季もチームのために」

[ 2019年10月11日 05:30 ]

残留を表明し会見した会沢
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 V奪回を目指す広島に朗報だ。今季国内フリーエージェント(FA)権を取得し、去就が注目された会沢翼捕手(31)が10日、権利を行使せずに残留する意思を表明した。3年総額6億円(金額は推定)で大筋合意。広島市南区の球団事務所で開いた会見では「新監督のもと、来季もチームのために頑張りたい」と語り、佐々岡監督の胴上げを誓った。

 義理と人情を重んじる会沢らしい決断だった。秋季練習でひと汗かいた後に開かれた残留表明会見。去就が注目された選手会長は、清々しい表情を浮かべて決意を口にした。

 「広島で13年間お世話になり、愛情はもちろん、恩もある。佐々岡新監督のもと、来季もチームのために頑張っていきたい」

 今季初めて規定打席をクリアし、打率・277、12本塁打、63打点をマークした強打の正捕手。侍ジャパンの一員として11月の国際大会「プレミア12」にも出場する会沢に、球団は9月初旬から複数回に渡って残留交渉の場を設けてきた。

 「一番はカープがどう評価してくれるか。(球団本部長で交渉役の)鈴木(清明)さんに“お前が必要だ”と言って頂き、正直そこまで悩まなかった」

 球団は、交渉過程で当初に示した条件を上方修正。細部の詰めは残すものの、3年契約で推定年俸1億8000万円プラス出来高払い、総額6億円規模を提示したと見られる。真っすぐで駆け引きを嫌う会沢は誠意を感じ取り、潔く早々と決断を下した。

 心に響く声はまだあった。佐々岡新監督からの電話による迅速な慰留を「間違いなく大きい。“力が必要”と言っていただき、うれしかった」。ファンからの激励の手紙に言及した場面では、こみ上げるものを抑えながら「一緒にまた喜びを分かち合いたい」と語った。

 広島の正捕手には楽天など複数球団が興味を示しており、FA宣言すれば争奪戦になる可能性大だった。残留は、来季のV奪回と悲願の日本一を目指す新生・佐々岡カープにとってこの上ない朗報。無論、会沢本人の視線も同じ目標に向く。

 「ホッとしたと言うよりも“来季やってやるぞ”という思いが強い。契約は3年でも、この世界は1年勝負。悔しい思いをした今季の成績を反省し、佐々岡監督とともにリーグ優勝を目指したい」
 厚い人望を持つ円熟の31歳。来季のリベンジを誓うチーム、ナインを背中で引っ張る。(江尾 卓也)

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