原巨人、日本S進出王手!虎退治2連勝 37歳亀井が「失敗恐れず」重盗&3安打

[ 2019年10月11日 05:30 ]

セCSファイナルステージ第2戦   巨人6―0阪神 ( 2019年10月10日    東京D )

<巨・神>5回1死一、二塁、三盗を決めた亀井(三塁手・北條)(撮影・大森 寛明)
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 巨人は10日、阪神を6―0で下して2連勝。1勝のアドバンテージを含め3勝とし、6年ぶりとなる日本シリーズ進出に王手をかけた。3点リードの5回に重盗を成功させて追加点を奪うなど、原辰徳監督(61)の隙のない采配に選手が応えた。11日の第3戦に勝つか引き分けると日本シリーズ進出が決まる。

 5回の重盗こそ、名将・原辰徳監督の真骨頂か。次の1点を狙う積極采配。「チャンスがあったというところで、それを見逃さなかった」。虚を突かれた4万5168人が、この日最大の歓声を上げた。

 3点リードの中盤、亀井の右中間二塁打に坂本勇の四球で1死一、二塁とした場面。マウンドの島本を中心にできた相手の輪が解けた直後だった。丸への初球。今季9盗塁の37歳が三塁を、5盗塁で30歳の主将が二塁を陥れた。丸の左犠飛で1点、さらに岡本の右前適時打を呼んだ。

 呼応した亀井の信条はこうだ。「短期決戦は失敗を恐れずにいく」。裏には入念な準備があった。相手がマウンドに集まった瞬間だ。三塁ベースを担当する元木内野守備兼打撃コーチに二塁から駆け寄り、次の1球を狙う意思を確認していた。「流れは絶対に必要。揺さぶることは必要だし、今日ははまった」と振り返る。

 4年ぶりに復帰した原監督が感じたのは、亀井に備わった「強さ」だった。8月18日阪神戦前。ベンチ裏で治療を受ける姿を見つけ「今日は代打の1打席でいいよ」と声を掛けた。亀井は「ありがとうございます」と素直に笑顔を見せたという。「(第2次政権時は)弱い部分を出さない存在だった。弱い部分を出せる人は逆に強い」と成長を感じた瞬間だ。

 今季は主に1、5番で131試合に出場。阿部が引退した来季は野手最年長になる。計3安打。初回の二塁打でヘッドスライディングした亀井は「シーズン中には絶対しない。流れ、盛り上げるのは大事」と短期決戦仕様だと明かし、原監督は「後続も亀ちゃんに触発されながらいっているような感じがした」と評した。

 前夜は2回までに5点を奪ったが、3回以降は無得点だった。試合が動かぬならタクトで動かす。中継ぎ陣から5得点し、6年ぶり日本シリーズへ王手をかけた。CSファイナルSで初戦から2連勝した優勝チームの突破率は100%だが「保証も何もない。たくさんの投手を攻めたという部分は良かった」と指揮官。隙を見せることはない。言葉に、勝負の鬼たる一面が垣間見えた。 (神田 佑)

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