阪神・福留、落球V撃に涼しげ「それも野球の一つ」近本は好走塁で演出

[ 2019年4月10日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神12―8DeNA ( 2019年4月9日    甲子園 )

8回2死満塁、福留(手前)のとき敵失で逆転し、盛り上がる阪神ベンチ(撮影・北條 貴史) 
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 7―8の8回2死満塁。福留の打球は右翼へ舞い上がった。万事休す――。誰もがそう思った瞬間、ソトのグラブからボールがこぼれた。失策で走者全員が生還して逆転に成功。地鳴りのような歓声が球場全体を包んだ。

 「それも野球の一つでしょうし」

 背番号8は涼しげに振り返った。7回表を終え3―8。敗色濃厚な展開からの大逆転は、全員が諦めない気持ちで立ち向かったからに違いなかった。

 足がかりをつくったのはルーキー近本だった。この回先頭で代打起用されると中前打で出塁。1死から糸原の初球で二盗に成功し、捕手の悪送球で三塁を陥れた。5点劣勢を思えば、盗塁企図すらためらう場面。球界の常識を覆す近本ならではの“離れ業”が流れを呼ぶ。糸井の右前打で4点目の生還を果たすと、そこから打線が一気に勢いづいた。

 「先頭だったので、塁に出ることを考えていた。何点差だろうとどの時もやることは変わらない。盗塁して、センターに抜けた後も、三塁に走れたのはよかった」

 7日の広島戦から2試合続けてのベンチスタートも、集中力は切らさなかった。梅野のソロで1点差に迫った直後の8回の打席も四球で出塁。何度もけん制球をもらい、パットンのリズムを崩す。満塁機を演出し、落球V撃を呼び込んだ。

 「集中していけた。チーム全体としていい試合になった」

 どのような状況でもぶれない心が、最大の強みだ。15安打12得点はいずれもチームの今季最多。矢野監督からは「走塁を含めて一人一人がね。こういう点差というのはなかなか一人だけでは勝てないから」と称えられたが、一喜一憂はしない。

 昨年18もの借金を負った甲子園で、新しい風を吹かせた。「やることは変わらないので継続してやっていきたい」。その表情には自信がにじみ出ていた。(長谷川 凡記)

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