サイクル達成の阪神・梅野、お立ち台で「明日も勝つバイ!」

[ 2019年4月10日 05:31 ]

セ・リーグ   阪神12―8DeNA ( 2019年4月9日    甲子園 )

お立ち台で「あしたも勝つ!」と絶叫する梅野(撮影・大森 寛明)
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 大逆転勝利の立て役者としてお立ち台に上がった阪神・梅野は「めちゃくちゃ嬉しいです!」と感情をぶちまけた。そして、続けた。

 「まさか自分がサイクル安打を達成するなんて思っていなかったので、凄いうれしいです!」

 まさか…。が現実になった。2点差で迎えた8回先頭で左越ソロを放ち1点差。二塁打を放てば偉業達成という状況でも、その時点で再び打席が回ってくる可能性は決して高くなかった。だが、そこから打線が2死満塁まで攻め込んだ。福留が右翼に打ち上げ攻撃終了と思いきや、ソトがまさかの落球で3人生還して逆転に成功。さらに打線がつながり、2死一、二塁でこの回2打席目に入った。

 ざわつく聖地の雰囲気を力に変えて放った打球は右中間への二塁打。絵に描いたようなストーリーにも自覚は無く、「ベンチがざわついている…」と感づき、女性スタッフが花束を持って現れた時に確信。「まったく気付いていなかった」と照れながら、大観衆の祝福を受けた。

 “1本目”もソトのプレーから生まれていた。2回2死一、二塁から放った右翼前への飛球はソトのグラブをかすめるようにポトリ。一度は失策と記録されたが、3回の守備終了後に三塁打に訂正された。サイクル安打にあたって最も難易度の高い三塁打を最初にクリアし、4回には右前にシングルヒット。球団では16年福留以来、プロ野球史上74度目の偉業達成だった。

 お立ち台では、「ファンを楽しませる」という矢野監督の方針を体現した。ファンへのメッセージを求められ、「まだまだ前半戦始まったばかり。甲子園の1戦目を取れて嬉しく思っています」と切り出し、「自分は博多出身なので、皆さんに“あしたも勝つバイ”と言ってほしいと思います。自分が“あしたも”と言うので、皆さんは“勝つバイ!”でお願いします」と求め、「明日も!勝つバイ!」と聖地に一体感をもたらして締めた。

 骨折という事実を忘れてしまいそうなほどの活躍で、梅野が全国の虎党を興奮させた。

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2019年4月10日のニュース