楽天ドラ7小郷 幾多の屈辱乗り越えた反骨の「韋駄天」

[ 2019年1月23日 09:00 ]

50メートル5秒8の俊足と強肩を生かして1番打者の座を狙う楽天・小郷(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 【19年版球界新士録 楽天・ドラフト7位 小郷裕哉外野手】念願だったプロ野球選手という夢をかなえたが、日の当たる道を歩んできたわけでない。楽天・小郷のドラフトの指名順位は7位。「今までスポットライトを浴びるタイプではなかったので。やってやるぞという気持ちが強い」。反骨心を胸に新人合同自主トレで精力的にメニューをこなす。

 何度となく悔しさを味わい、そのたびに強くなった。岡山の強豪校・関西出身。高校通算28本塁打の強打者として注目を浴びてプロ志望届を出したが、指名漏れとなった。立正大に進むも「想像以上にレベルが高くて、プロに行きたいと思えなくなった」と振り返る。プロという目標はいつのまにか消えていた。

 50メートル走5秒8の俊足と強肩を生かして3年春からレギュラーとなり、昨年秋にリーグ優勝と明治神宮大会優勝に貢献した。ただ、昨年6月の大学日本代表選考合宿に最速155キロ右腕の弟・賢人(東海大2年)とともに参加。弟だけが代表入りしたことに「複雑だった」としながらも「負けたくないという気持ちになれた」という。

 同期入団のドラフト1位・辰己(立命大)も同じ俊足巧打の外野手だが「プロに入ったらドラフトの順位は関係ないので」と小郷。2月の沖縄・久米島キャンプは1軍スタートが決まった。プロで目指すのは1番打者だ。「頑張っていればいつか花が開くと信じている」。日陰を歩いてきた「韋駄天(いだてん)」が、泥くさくアピールを続ける。 (重光 晋太郎)

 ◆小郷 裕哉(おごう・ゆうや)1996年(平8)8月3日生まれ、岡山県出身の22歳。小学1年から野球を始め、関西では2年春、3年夏の甲子園出場。立正大では2年秋に内野から外野に転向。3年春にレギュラーに定着し、秋にはリーグ2位の打率・347。遠投は105メートル。1メートル78、85キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2019年1月23日のニュース