現役続行目指し練習を続ける前ヤクルト・大松、後輩たちが慕うその「人柄」

[ 2019年1月23日 08:30 ]

現役続行のためにトレーニングを行う前ヤクルト・大松
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 1月中旬。楽天・今江の自主トレ公開で沖縄県恩納村にある球場を訪れた。ロッテの伊志嶺や中村、広島の田中広といった顔ぶれが、全員おそろいのTシャツをキャップ姿でキャンプインに向けて汗を流す。白いTシャツの胸には「2019 TEAM OHMATSU」のロゴがプリントされていた。

 この合同自主トレのリーダーは、昨季限りでヤクルトを戦力外となった大松尚逸だ。彼を慕う選手たちが、毎年この時期になると沖縄に集う。いつもと変わらない風景がそこにはあったが、リーダーは複雑な思いを抱きながらトレーニングを積んでいた。

 「みんなはキャンプやシーズンに向けて準備をしていますけど、僕はまだ次が決まっていないですから。いつどこから声が掛かってもいいように準備はしています」

 現役続行を希望しているものの、現時点でオファーは届いていない。厳しい状況にあっても昨年までと変わることなく明るく振る舞いながら、率先してハードな練習メニューに取り組んでいる。「最初は社会人野球も選択肢に入れていたんですけど…」と明かしたが、興味を示してくれるチームはなかった。

 ロッテ時代の後輩で「チーム大松」に参加して4年目の今江は「厳しい状況でもモチベーションを保ちながらやっている姿を見て、本当に学ぶことが多いです」と話す。今年から新たに加入したロッテの4年目左腕・成田も「大松さんには打者目線でよくアドバイスをしてもらっている。すごく勉強になります」と感謝を口にする。

 ロッテからヤクルトに渡り歩いた左の長距離砲の魅力は、なんと言ってもその「人柄」だ。「人格者ですね。ああいう人はなかなかいない。一緒にいさせてもらって、人として学ばせてもらってきた」と今江。大松を悪く言う人に出会ったことは一度もない。

 2度の戦力外を受け、現在は海外リーグでの現役続行を視野に入れている。「まだ踏み入れたことがない環境でやれれば、良い経験になると思う」。沖縄での自主トレは22日で最終日を迎えた。今後は練習場所の確保も含めて、さらに厳しい現実が待っている。それでも「納得して終わることができれば、次につながってくると思うので」と笑顔で前を向き続ける。将来は指導者になるという夢もある。プレーヤーとして完全燃焼してから、その夢を叶えてほしい。(記者コラム・重光 晋太郎)

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