野村 被災者へ勇気を!地元で心機一転“恩返し”必ず

[ 2019年1月23日 05:30 ]

繰り返しのブリッジに表情をゆがめる広島・野村
Photo By スポニチ

 広島・野村祐輔投手(29)は22日、岡山県倉敷市内で自主トレーニングを公開した。母校の明大から初めて地元を拠点とし実家では母・真由美さんの料理、練習では弟・航平さんのサポートなど家族から全面支援を受ける。

 「地元でやりやすい。心機一転、心を新たに、充実した自主トレができている」

 練習場までは車で5分の「実家通い」を続ける。母の手料理は、普段、一人暮らしの右腕にとっては貴重だ。しかも、栄養士から提供されたメニューが食卓に並ぶとあり「バランスのいい食事を作ってくれる」と、おふくろの味がアスリート仕様に進化している。土、日曜日には福岡から弟が駆けつける。現在は会社員だが、広陵、東海大でプレーした経験があり「ちょっと前まで野球をやっていたし手伝ってもらおう」と頭を下げた。この日は、平日ながら休暇を取って練習相手になってもらうなど、至れり尽くせりの家族愛を最大限に受けている。

 昨年末に地元に帰省し、年明けには西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町も訪れた。「誰かに話を聞いたとかはないですけど、映像でしか見れていなかったので、自分の目で確認しました。まだ跡はありましたね」。被災地となった地元への思いは、今季も変わることはない。

 「倉敷市出身なので、そういう(元気づける)こともある。力になることができればいい」

 この日は約80メートルのキャッチボールに、下半身を中心としたトレーニングで体をいじめ抜いた。「力を発揮するために、タイミングが今年のテーマ。連動性の中でいかにパワーを伝えられるか。アップとかで柔軟性も出しながら、体も強くするということをやりたい」。昨季は開幕投手を務めながら背中の筋挫傷などもあり20試合で7勝6敗、防御率4・22。日本シリーズでは先発4番手にまで下がった。今季の先発ローテーション入りも確約されていない。

 「去年はふがいないシーズンだった。それがあったからこその今年。そういう(挽回する)年にしたい」

 家族、そして故郷という原点から、再び確固たる信頼を勝ち取るシーズンが始まる。(河合 洋介)

続きを表示

2019年1月23日のニュース