秋風が身に染みる…阪神 甲子園史上初の屈辱…1安打、0―10負け

[ 2018年10月2日 08:10 ]

セ・リーグ   阪神0―10DeNA ( 2018年10月1日    甲子園 )

<神・D>9回、陽川(手前)が遊飛に倒れてゲームセットとなり、渋い表情の金本監督(右端)とナイン(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は1日のDeNA戦に0―10で敗れ、借金13へ逆戻りとなった。甲子園球場で1安打かつ2桁失点で零敗を喫するのは球団史上初の屈辱となった。本拠地では19勝36敗2分けとなり、1978年の球団ワースト借金17にも並んだ。数字の上では2位浮上が完全消滅し、2日にも自力によるクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性も消える。

 秋風が一層、身に染みる。チーム低迷に比例するかのように甲子園球場の観衆は今季3度目の3万人割れとなる2万8961人にとどまった。そんな状況でも球場に足を運んでくれた虎党に勝利を届けたかった。だが、グラウンド上で演じられたのは、球団史上初となる屈辱的な敗戦劇だった。

 「見ての通り。もう打てなかったし、打たれてしまったということ。浜口が良かったかもしれないけど、ちょっと勢いがね。付けたかったけど、封じ込まれたというかね。最後はそこ(打席内での工夫、対応力)になるけど、何とかモチベーションを上げてね。ファンのために。本当、申し訳ないし。何とか、いい姿を見せてほしいですけどね」

 金本監督の敗戦の弁も力なく響いた。無理もない。もう1試合も負けられない…という状況で、0―10の惨敗を喫したのだ。

 致命的に打てなかった。打線がスコアボードに「H」ランプをともしたのは、3回に糸原が放った中前打わずか1本のみ。2試合連続で4番起用した大山が3打数無安打、6月24日以来の先発起用となった高山も3打数無安打と、期待の若虎が沈黙した。3打席連続の空振り三振に倒れた高山は「監督の期待に応えたかったですが、できなくて残念です」と肩を落とした。

 1安打零敗は今季初で、12年5月4日の巨人戦以来6年ぶり。それだけではない。貧打だけでなく、投手陣も10失点。1安打無得点かつ2桁失点による敗戦は83年6月29日の巨人戦(後楽園)以来2度目で、甲子園では球団史上初の屈辱となった。これで今季、本拠地では19勝36敗2分けとなり、78年の球団ワースト借金17にも肩を並べてしまった。きょう2日にも自力CS進出の可能性も消滅。指揮官は「そりゃあ、毎日、勝ちたいですよ」と言葉を絞り出した。(惟任 貴信)

 <シーズン2位消滅>阪神はわずか1安打の低調で今季12度目の零敗。1安打零敗は12年5月4日の巨人戦(甲子園)0―4以来6年ぶり。2桁失点の零敗は15年5月9日の広島戦(甲子園)0―10以来3年ぶり。1安打零敗と2桁失点が重なるのは83年6月29日、巨人戦(後楽園)以来35年ぶり2度目。甲子園では球団史上初の屈辱だ。チームはこの敗戦でシーズン2位が消滅。きょう2日、阪神負けでDeNA勝ちか引き分け、阪神が引き分けでもDeNAが勝てば自力CSも消滅する。

 ▽阪神、83年の1安打&2桁失点零敗 6月29日、巨人戦(後楽園)阪神の先発・野村は初回、原の先制打から5回8安打4失点。7回は中田良と大町が2塁打3本で3失点。8回には4番手の浜田が吉村の3ランなど4失点でとどめを刺されて11失点。打線は2回先頭・掛布の右前打以外27人が凡退。加藤初に出塁1人だけの準完全試合を許した。

 ▽阪神の甲子園最多敗戦と借金 今季は甲子園5試合を残して19勝36敗2分けの借金17。フランチャイズ制施行の52年以降、甲子園での最多敗戦は95年の38敗(23勝)、シーズン終了時点の最多借金は78年の17(19勝36敗3分け)がある。

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