苦節11年ついに…広島・松山 初の規定打席到達 8回犠飛

[ 2018年10月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4―5巨人 ( 2018年9月30日    東京D )

<巨・広>8回1死三塁、畠から中犠飛を放つ広島・松山 (撮影・白鳥 佳樹)
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 広島・松山竜平外野手(33)が苦節11年目で初の規定打席をクリアした。同点の8回。1死から鈴木が右中間フェンス直撃の三塁打を放ち、打席に松山。2番手・畠の初球150キロの内角高め直球を捉え、一時勝ち越しとなる中犠飛を放った。この時点で初の規定打席達成を決めた。

 「きれいに打とうとは思っていない。誠也が走者だったので、外野フライでいいという気持ちでいった。規定打席を達成できたのは素直にうれしい」

 苦節11年目。定評のある打撃力を生かそうと、12年4月1日の中日戦では「6番・サード」でスタメンに名前を連ねたことも。昨秋キャンプから一塁守備に本格的に挑戦。今季は出場機会を確実に増やし、リーグ3連覇に貢献した。

 4年前の秋季キャンプが思い出される。就任直後の緒方監督が、初カミナリを落とした相手こそ松山だった。フリー打撃に取り組む姿に「気持ちが入っていない」と激怒。ロングティーを命じ、自ら700球のトスを上げた後、こう話した。

 「打つだけなら、この中で一番目立たないといけないのに、目立っていない。残念だ」

 期待するからこその怒声。それがどうだ。故障しにくい身体をつくり、打撃を磨いて、当初は「(今のままだと)4打席与えるつもりはない」と厳しかった指揮官を、自らのバットで振り向かせた。今や押しも押されぬ中軸の一角。規定打席は努力の成果だった。

 緒方監督は、松山の成長に「勝負強い打撃は本当に頼りになる」と目を細める。33歳のベテランは「結果が出ていなかったら、達成できていないと思う」と感慨を込めつつ、どん欲に先を見つめる。

 「CSや日本シリーズでも、こういう打撃をしたい。反省を忘れず、もっと打てるように頑張りたい」

 V決定試合では3年連続で打点を挙げているように、ポイントでの存在感は群を抜く。まずはプレーオフで、“アンパンチ”をさく裂させるつもりだ。(江尾 卓也)

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2018年10月1日のニュース