西武・山川 最強4番打 清原以来22年ぶりの全試合不動「仕事ができた」

[ 2018年10月1日 05:30 ]

パ・リーグ   西武1―4日本ハム ( 2018年9月30日    札幌D )

菊池(右)とビールかけで盛り上がる山川(撮影・木村 揚輔)
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 西武を10年ぶりの歓喜に導いた4番打者は、誇らしげに胸を張った。46本塁打、121打点はいずれもリーグトップ。「アグー」こと山川穂高の存在なくして「獅子おどし打線」は成立しない。敗戦の中、この日もマルチ安打で存在感を示した。試合後。山川が笑顔とともに口にした言葉には、強い自負がにじんでいた。

 「どういう形でも優勝はめっちゃうれしい。結果が全ての中、自分の打撃ができた。キッチリ4番の仕事ができたと思う」

 前だけを見て突っ走った。こん身の力でバットを振り続けた。2月1日の宮崎・南郷キャンプ初日。「キャンプ、オープン戦から僕は勝負。調整なんてない。4番は小学校の時から打っていた。一番、打ちたい打順。狙いたい」と宣言した。オープン戦では打率・136。それでも辻監督は「一生懸命やっているし、アグーが打つとチームも盛り上がる。エラーした時なんて泣きそうな顔しているけど絶対に下を向かないからね」と開幕4番に抜てきしてくれた。指揮官の期待を肌で感じ、最高の結果で応えた。

 どんな時でもバットを手放さなかった。本拠地では早出特打、ナイター終了後に西武第2に移動しての打ち込みを続けた。辻監督からは「練習も大事だけど、休むのも大事」と言われ、試合後の打撃練習を控えたこともあった。それでも「やっぱり練習は大事」。打てなければナイター後に足は自然と西武第2球場に向かっていた。

 「僕には練習しかない。百発百中、100%、200%で一発を狙う。それでも600打席で46本。ほとんど打ててないんですよ」。この日で623打席。その貪欲さが破壊的なアーチの原動力。9月は23試合で10本塁打とラストスパートをかけ、4番の仕事を全うした。

 「沖縄県人は雨が降っても傘はささないんですよ。急に降ってくるし、すぐ上がるし」。調子の良しあしや、失敗などに左右されず、自分を貫き、長いシーズンを走り続けた。46本の美しい架け橋でチームを引っ張り、ファンを魅了し続けた。 (鈴木 勝巳)

 《球団初の2人110打点超え》山川はここまで全試合4番で先発出場。4番での全試合出場となれば、96年清原以来、22年ぶりとなる。また、山川は浅村とともに110打点以上をマーク。西武で2人が100打点を超えたのは11年の中村116、中島100以来、7年ぶりだが、110打点以上は初。また、2人のアベック本塁打は今季14度。球団記録でパ最多の01年カブレラ&マクレーンの15度、プロ野球記録の85年バース&掛布雅之(神)の16度に迫る。カブレラ&マクレーン弾は勝率.733だが、山川&浅村弾は13勝1敗で勝率.929と高い。

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