【南神奈川】万波バックスクリーン弾!帰ってきた横浜の怪物

[ 2018年7月24日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念南神奈川大会準々決勝   横浜12―0立花学園 ( 2018年7月23日    横浜 )

初回1死三塁、中適時二塁打を放つ万波(撮影・島崎忠彦)
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の南神奈川大会は23日、準々決勝4試合が行われ、横浜が立花学園を6回コールドで下した。ドラフト候補で4番の万波中正外野手(3年)が3回に今大会初アーチとなるバックスクリーン直撃の2ランを放つなど3安打5打点の大暴れ。6年連続で4強に進出した。

 規格外だった。3点リードして迎えた3回1死二塁。4番・万波がカウント2―1から外角低めの直球を振り抜いた打球はあっという間にバックスクリーンに達した。高校通算39号は横浜スタジアムのバックスクリーン内にあるアサヒビールの看板右上を直撃する推定飛距離135メートルの特大2ラン。「ホームランか分からなかった」と打った本人も驚くほどの、低く、鋭い弾道だった。

 「しっかり捉えられた。引っ張るというより、センターから右に強い打球を打つ。(体を)開かずに打つことを心掛けた」

 初回に中越え適時二塁打、6回の第4打席に右翼線へ2点三塁打を放ち3安打5打点。6回コールド勝ちであと単打が出ればサイクル安打だったが、試合後は「3打席目の三振が良くない。甘い球を捉え切れなかった」と反省が口をついた。

 「ハマスタでバックスクリーン。感慨深いですね」と話す。2年前、当時1年生だった万波は同球場でバックスクリーン直撃弾を放ち、怪物スラッガーと騒がれた。視察した大リーグのブルージェイズ、ダン・エバンス統括部長(当時)が「あれで16歳か?」と驚いた。しかし、今季は打撃に苦しみ、今大会の1次登録ではメンバーから外れた。

 復調のきっかけは1本の映像だった。「たまたまYouTubeのおすすめにでてきて、見た瞬間からとりこになった。全てが格好いい」。大リーグのマリナーズなどで活躍、通算630本塁打を誇るケン・グリフィーの打撃フォームにくぎ付けとなった。手を大きく揺らしながらタイミングを取り、足は上げず、スリ足のフォームに変更。「6月の松商学園との練習試合で2打席連発で打て、これだと思った」と万波。一本足打法なども試すなどもがいたが、自信を取り戻した。背番号13をつけ、追加登録で滑り込んだ。

 4試合連続で複数安打を記録し、4回戦から4番に座る。そして今大会初アーチに、平田徹監督も「周りを見てプレーできるようになった。精神的成長が一番大きい」と目を細める。6年連続で4強進出。3年連続の夏の甲子園へあと2勝だ。

 「チームのために打つことしか考えていない。勝てば自分の結果は気にしない」。主砲は勝利のためにフルスイングを続ける。 (小野寺 大)

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2018年7月24日のニュース