【中畑清 キヨシスタイル】新球団大歓迎!全国に野球の力届けよう

[ 2018年7月24日 10:00 ]

中畑清氏
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 うれしいねえ。衣料通販サイト「ZOZOタウン」を運営するスタートトゥデイの前沢友作社長が17日、自らのツイッターを通じて「プロ野球球団を持ちたい」と表明した。勢いのある企業の社長さんがプロ野球に魅力と可能性を感じてくれている。大歓迎ですよ。

 プロ野球の球団を持つには今ある球団を買収するか、新たに立ち上げるか。売りたい球団がなければ、どんなに意欲があっても買えない。その場合は新規参入しかない。球界はエクスパンション、球団数の拡大を考えてもいい時期に来ているんじゃないかな。

 私はこれまで球団を増やすのは反対だった。人気が分散されると思っていたからだ。その考えを変えてくれたのは地域と密着し、住民と心を一つにして成功している球団だ。

 まずは近鉄とオリックスの合併を受けて2005年に新規参入し仙台を本拠地とした楽天。11年東日本大震災に見舞われた東北に勇気と元気を与え、13年には感動の初優勝、日本一を達成した。

 そして決定打になったのが今回の広島だ。7月5日、西日本豪雨で地元が甚大な被害を受けたのを受けて9日からの阪神3連戦(マツダ)を中止。被災者に寄り添う勇気ある決断だった。

 被災後初めての地元開催となった20日からの巨人3連戦(同)はいずれも逆転で3連勝。7―0からいったん逆転を許した初戦は最後、下水流の逆転サヨナラ2ランで制し、3戦目は0―6からうっちゃった。被災者への思いが「神ってる」以上に神がかった勝利を呼んだような気がする。

 現在プロ野球球団がない地方に新球団が生まれたら、地域に元気を与える野球の力を全国津々浦々にくまなく届けることができる。そう思ってエクスパンションを考えるようになったのだ。

 キヨシ構想はズバリ、セ・パ1球団ずつ増やしてそれぞれ7球団にする。奇数だと1球団あぶれるが、ア・ナ各15球団の大リーグがそうしているように、1カードは交流戦にすればいい。

 候補地は北信越、静岡、四国、沖縄…。新たに参入する企業がそれぞれの地域にどんな風を吹かせてくれるか。想像するだけで楽しくなる。(本紙評論家・中畑 清)

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2018年7月24日のニュース