大谷、全力疾走で球児にお手本&エール「良い夏にしてもらえたら」

[ 2018年7月24日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス14―5アストロズ ( 2018年7月22日    アナハイム )

アストロズ戦の2回、キンズラーの二塁打で一塁から生還するエンゼルス・大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が22日(日本時間23日)、アストロズ戦に「5番・DH」で出場し、2回に一塁から快足を飛ばして同点となる生還を果たした。7回にも三塁内野安打を放ち、計2得点。連敗を3で止め、勝率5割に戻す勝利に貢献した。100回の記念大会を迎える夏の甲子園を前に、二刀流がモットーとする全力疾走で高校球児にお手本を示した。

 狙っていた。1点を先制された直後の2回無死一塁。四球で出塁した一塁走者の大谷は、3度のけん制球をもらっても動じない。1ボール2ストライクからの4球目。迷わずスタートを切った。

 「作戦のところなので言うつもりはない」と振り返ったが、ベンチから出た指示は自らの判断で盗塁できる「グリーンライト」。ここで打ちにいったキンズラーの打球は左翼手の頭上を越えた。大谷が加速する。二塁から三塁を回り、スライディングで一気に生還した。一塁から本塁までのタイムは10・80秒。ランエンドヒットという形で同点劇を演出し、逆転につなげた。

 7回には三塁手への力ない当たりが幸いし、全力疾走で内野安打に。「良い当たりがアウトになることもあれば、ああいうのがセーフになることもある」と笑ったが、一塁到達タイムは3・90秒。今季チームトップタイムの3・82秒を叩き出した前夜のセーフティーバント(記録は投ゴロ)に迫る快足ぶりだ。

 二刀流・大谷の走力。野球を始めた小学2年の時から父・徹さん(56)に「一生懸命走ること」を叩き込まれ、花巻東時代にさらに磨きがかかった。走塁練習を毎日行い、打球判断を養った。「一塁後方の芝生の切れ目まで全力疾走」、「外野フライは二塁まで全力疾走」というチームのルールに真摯(しんし)に取り組んだ。

 3年夏は甲子園を逃した。「なかなか甲子園に行きたくても行けない子の方がいっぱいいる。行けなかったとしても必ずプラスになることはたくさんある。たまたま(今年の)母校は行けたけど良い夏にしてもらえたらなと思う」。この日の大谷の全力疾走は母校だけでなく、高校球児に向けたエールだった。 (柳原 直之)

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2018年7月24日のニュース