都市対抗決勝で激突!三菱重工・藤井、土壇場の勝負度胸 大阪ガス・近本、四球に感じたセンス

[ 2018年7月24日 10:30 ]

<三菱重工神戸・高砂VSセガサミー>9回のピンチを抑えて完封した藤井はガッツポーズ(撮影・篠原岳夫)
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 【伊藤幸男の一期一会】アマ野球担当として久々に都市対抗野球を取材している。きょう24日の決勝は大阪ガス(大阪市)VS三菱重工神戸・高砂(神戸市・高砂市)と3年ぶり5度目の関西対決。いずれも初の黒獅子旗獲得となる。

 ポイントは三菱重工神戸・高砂の二本柱と大阪ガスのヤング打線の激突だ。円熟エース守安玲緒投手(31)と15年都市対抗橋戸賞・藤井貴之投手(30)が、ルーキーの小深田大翔内野手(22)、2年目の近本光司外野手(23)をどう料理するのか興味は尽きない。

 記者が感心したのは藤井の制球力と勝負度胸だ。昨夜の準決勝・セガサミー戦。1点リードで迎えた9回1死一、三塁、6番・新城に外角球を3球連続ファウルで粘られた時だった。運命の9球目。当初、外角を要求した捕手・森山のサインに首を振った藤井は、内角直球に再び首を振った。最後は「低めに投げたら振ってくれる」カットボールを選択し、狙い通り空振り三振に。2回戦・王子戦(春日井市)に続く自身2度目の完封だった。

 「ホームランのリスクを考えての外角でした。藤井の責任感の首振りですね」。同学年の森山が舌を巻く。藤井は「1点は仕方ないと前向きに考えました。完封なんて自分でもビックリ。出来過ぎです」と笑った。

 今大会4試合17打数10、打率・588と絶好調の近本は50メートル5秒8の俊足に加え、選球眼と読みが素晴らしい。JR東日本戦の8回、左打席から逆方向の左翼席へ運んだ決勝ソロも素晴らしかったが、3回2死一、二塁から選んだ四球に野球センスを感じた。

 「長打だと2点入る。だから簡単に真っすぐは来ない」とツーストライクと追い込まれても膝元に落ちる変化球を見極め出塁し、得点につなげた。「その投手の得意なボールをしっかり打てたら、ショックでしょ」。相手エース板東の直球を狙い打ったのもプロ向きの性格だろう。

 東京ドームで午後6時プレーボール。テレビ放送もあるが、プロ野球にも劣らない社会人のレベルの高さを一度は目の当たりにしてほしい。

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