高校野球200年構想とは?普及、振興、ケガ予防、育成、基盤づくり

[ 2018年7月4日 07:00 ]

高校野球の今、そして次の100回へ(5)

今年3月、日本高野連が初の試みとして開催した「センバツ・キッズ・フェスタ」。右は横浜前監督の渡辺元智氏
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 日本高野連の「高校野球200年構想」は5つの目標を掲げる。野球未経験者にアプローチして野球に触れる機会を増やす「普及」、野球をする小中学生に長く野球を続けてもらう環境を整える「振興」、ケガで野球を諦めないための「ケガ予防」、選手や指導者の技術向上を目指す「育成」、以上の目標達成のための「基盤づくり」だ。24の事業案を決め、18年度は「都道府県単位の協議会設立」など優先度の高い9つを実施する。

 普及、振興への取り組みは、手探りながら広がりつつある。今春の選抜大会前、日本高野連は初の試みとして甲子園で「センバツ・キッズフェスタ」を開催。高校球界の名指導者たちが小学1〜3年の約90人に野球の魅力を伝えた。横浜(神奈川)の監督として全国優勝5度の渡辺元智氏は「これで終わりではなく、続けていくことだ。子供が野球をできる環境をつくっていかないと」と話した。

 香川県高野連は6月、大阪桐蔭を招待した試合の後に、地元の小学生たちとキャッチボールなどで触れ合う野球教室を初開催。投打二刀流の根尾は熱視線を集め「普段は教えてもらう立場。教えるのは難しいと思った」と笑った。東京都高野連では新たに未就学児と高校球児がティーボールで触れ合う企画を立て、年末に実施する。

 高校野球を担う人材を減らすわけにはいかない。故障予防に向けた変革が現場で起き始めている。大阪府の門真なみはや、旭など公立校は15年、独自ルールのリーグ戦を開始。2年生95球、1年生75球の投球制限(ともに連投は100球以内)を設け、肘に負担がかかるフォークやスライダーの投球は禁止だ。

 裾野を支える学童野球でも故障予防が重要テーマ。今年1月の第1回神奈川学童野球指導者セミナーでは、横浜南共済病院スポーツ整形外科部長の山崎哲也医師が「医学的知識のある指導者がどれくらいいるのか」と現場の意識改革の必要性を訴えた。横浜では5年前に「野球肘検診推進協議会」を設立。1回500円の検診を行うが、普及は進まない。山崎医師は指導の現場で豊富な人脈を持つ慶応前監督の上田誠氏に協力を仰いでいる。

 競技人口の減少で、全国で連合チームが増えている。日本高野連が連合チーム結成の条件を緩和し、大会参加を容認したのが12年。昨夏は30都道府県で計63チームに上った。21世紀枠で出場したセンバツで勝利を挙げた経験を持つ一迫商(宮城)、室戸(高知)も今では連合チームだ。

 今夏、既に開幕した南北北海道大会には29校9チームが連合で参加。苫小牧西・伊達・白老東の3校13人のチームは、室蘭地区大会1回戦で苫小牧東にコールドで敗れたが、全力で戦った。日本高野連によると、部員数減少の一方、3年生までの「継続率」は年々上昇。16年以降は90%を超える。連合チームの存在が一助になっているといえるが、苫小牧西の今泉恒平監督は「どの連合チームも単独出場が目標。いい試合をすることで部員が増えていけば」と話した。

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