武田勝、涙の3球三振 最後は絶叫「俺のために日本一になれ」

[ 2016年10月1日 05:30 ]

<日・ロ>マウンドで記念撮影する武田勝

パ・リーグ 日本ハム3-1ロッテ

(9月30日 札幌D)
 万雷の拍手を浴びながら日本ハム・武田勝が現役最後のマウンドで魂の3球を投げ込んだ。初球124キロを計測すると、2球目は128キロ、最後は127キロの直球で清田を空振り三振に斬った。打者1人で交代した38歳の左腕は「お世話になった方々のためにも、最後は自分のスタイルを出したいと決めていた。今季一番コントロールがよかった」と振り返った。

 お世辞にも速いといえない直球でプロの荒波をくぐり抜け、通算82勝をマーク。入団前から左肘は真っすぐ伸びなかったが、変則フォームからのスライダーは誰よりも曲がりが遅かった。この武器を生かすために、130キロ前後の直球を強打者にも恐れずに投げ込んだ。「球が遅くても勝てる。それを若い子にも伝えたかった」。そんなメッセージを込めた。

 バックネット裏スタンドにはベンチを外れた宮西、有原、高梨、谷元が「11年間お疲れさまでした。みんなで勝さんのために優勝してやったぞ!」と記した手製の横断幕を掲げた。在籍11年間でリーグ優勝は5度目。試合前から涙を流した武田勝だが、試合後の引退セレモニーでは笑顔で「俺のために日本一になれ」と絶叫した。
【試合結果】

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2016年10月1日のニュース