「身を削りながら」パ初の偉業 宮西が見せる中継ぎの誇り

[ 2016年5月18日 13:28 ]

14日の西武戦で200ホールドを達成した日本ハムの宮西

 日本ハム・宮西が14日の西武戦(札幌ドーム)で通算200ホールドを達成した。巨人・山口に続く、球界史上2人目の快挙。普段はあまり注目を浴びることのない中継ぎに、スポットライトが照らされ、こちらもうれしい気持ちになった。

 野球記者をやっていると、何年経っても消えることのない選手の印象的な言葉がいくつかある。その一つが、2007年に担当をしていたヤクルト・館山の言葉だ。08年最優秀勝率、09年最多勝を獲得したセ・リーグを代表する先発投手だが、当時は中継ぎを中心にこなしていた。

 中継ぎとして好投したときに、館山に話を聞こうとした。そのときの言葉だった。「中継ぎは男の仕事なんです。抑えたときでなく、打たれてときに取材に来てくれればいいんです」。館山の美学を感じ、そんな姿はとても格好いいと思った。その後、先発として大ブレークするのだが、中継ぎとしての誇りがあふれていた。

 宮西は入団以来8年連続で50試合以上の登板を誇る。プロ入りした当初は、先発への憧れを口にした言葉も聞いたことがある。しかし、それも昔の話だ。勤続疲労もあったのだろう。昨オフには慢性的な痛みを抱えていた左肘を手術した。それでも今季も開幕直後に1軍合流すると、今では例年と同じように試合終盤になるとマウンドに上がっている。

 「目立つときは打たれたとき。身を削りながら投げてきたが、これが自分らしい。デカイことでなく、コツコツとやってきた」。まさに職人業。宮西の投球する姿に、「男の仕事」を感じている。(記者コラム・横市 勇)

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2016年5月18日のニュース