【清原被告公判全容3】更生のために野球に向き合うのは野球に失礼

[ 2016年5月18日 05:39 ]

清原和博被告

清原和博被告初公判

(5月17日 東京地裁)
 ――今後はどのように生活する?

 逮捕されてから今日まで、まだ一度も外を歩いたことがない。まず心と体を健康にすること、それがまず自分のできること

 ――佐々木さんが法廷に来てくれた

 ううう。本当に申し訳ない気持ちで…。(佐々木氏は)自分が逮捕された時も弁護士を通じてメッセージをくれて、保釈された後も、佐々木に電話した。このような法廷に立ってくれて心から感謝している

 ――佐々木さんは野球に関する仕事をやらせたいと言ってくれている。

 大変ありがたく思っている。しかし、自分の更生のために野球に向き合うというのは、野球に対して失礼だと思う。まずは自分の心と体を健康にして、万全な態勢で野球に向き合いたい

 ――いずれ野球に関することをやりたい?

 自分は野球しかやってこなかったから、それしかない。野球までたどり着くのは大変だと思う。ううう

 ――体調は?

 44日間の独房生活、その後、入院した。糖尿の方は投薬治療で治まっているし、留置生活で頭痛やめまいがひどいが、我慢できる範囲だから大丈夫

 ――嘆願書を見た?

 はい。自分の生まれ育った大阪の岸和田で、本来であれば、地元の恥さらしと言われても仕方がないけど、こうして応援してくれるのは感謝の気持ちでいっぱい

 ――留置場で父親に手紙を書いたか?

 はい。生まれて初めて書いた

 ――どんな内容?

 うう、ううう。謝りの言葉と、初めて買ってもらった青いグローブの話を書いた。親不孝で申し訳ございません、と。ううう。許してください、と書いた

 ――父親の手紙を読んだか?

 はい

 ――どう思った?

 ううう。情けないし、親不孝の息子で…。ううう。申し訳ない。病を患っているにもかかわらず「俺も一緒に頑張るから、和博も頑張れ」とお父さんに言ってもらって。ううう。感謝している

 ――保釈されて息子に会った?

 ううう。(しばらく泣いて)会ってません

 ――子供に会いたい?

 会いたいっす。ううう。会って謝りたい。あああ

 ――すぐに会えると思っているか?

 簡単には会えないけど、その日が来ることを願っている

 ――最後に何か言いたいことは?

 2度目はないと思っている。たくさんの人を裏切ってしまい申し訳ない

 ▼検察官から清原被告に質問

 ――覚醒剤を使うのは、社会でのストレスやプレッシャーを忘れるためということか?

 はい

 ――一番最初に使ったのはいつ?

 はっきり覚えていない

 ――どうして覚醒剤に手を染めた?

 そのときの記憶はない

 ――ほか(覚醒剤以外)のものは思いつかなかった?

 引退後は一時、お酒に溺れた時期もあった

 ――そこからなんで覚醒剤に?

 自分でもよく分からないが、今こうして振り返ってみると、いつの間にかそれに頼っている自分がいた

 ――覚醒剤は簡単に手に入らない。あなたの周りに使っている人がいたのでは?

 はい

 ――14年に小林被告と出会う前は誰から買っていた?

 小林さんを紹介してくれた人間

 ――それは、暴力団関係者?

 いいえ

 ――どれくらいの頻度で覚醒剤を使った?

 それはちょっと分からない

 ――注射器を使う前は?

 ガラスパイプであぶっていた

 ――これまで覚醒剤に費やしたお金は?

 分からない

 ――何度も覚醒剤をやめようと思った?

 恥ずかしい話なんですが、何度も覚醒剤をやめるために、自ら命を絶つこと、そればかり考えていた

 ――通院、入院は?

 している。入院もしましたけど、途中でやめたことはない

 ――文春の薬物疑惑報道が出てどうだった?

 報道は確かに苦しかった。でも、その報道後、息子たち家族が出ていって独りぼっちになり、そして仕事がなくなり、そっちの方がつらかった

 ――その後も覚醒剤を使い続けた?

 報道後の自分の生活、心がすさんでいったから、また手を出してしまった

 ――報道で逮捕されるとは思わなかった?

 考えたことはあった。それでもなかなかやめられない自分がいて、自ら命を絶つしかないと思った

 ――本当にやめられる?

 今ここで証言している自分がいる。前と後では決定的に違う。留置場での生活、ここで証言している自分を一生涯忘れず、周りのアドバイスを聞きながら、生きていきたい

 ――どうやって心と体を健康にする?

 14歳で電器屋の息子(清原被告)が全国区になり、走り続けてきたが、結局社会に適応できなかった。まずは自分が希望することは、空を見たり、風を感じたり、普段の生活をしたい

 ▼裁判官から清原被告に質問

 ――なぜ佐々木さんに相談しなかった?

 長く野球を続けてきた中で、なかなか人に悩みを相談することはできず、悩みを言うことは難しかった

 ――奥さんへの相談は?

 自分で何事もため込むタイプで、心配させたくないという思いもあって、どんどんため込んでしまった

 ――覚醒剤を使っているときはどんな感覚?

 ストレスや不安、プレッシャーが一時的に頭から消えた

 ――覚醒剤を使用することによって、幻覚やさまざまな作用のせいで他人を傷つけてしまうこともあることを知っていた?

 そこまで深い認識はなかったが、逮捕後に刑事さんにいろいろな作用がある話を聞き、とても恐ろしいと思った

 ――幻覚やもうろうを経験したことは?

 なかった

 ――今後、子供と会えずつらいと思うが、覚醒剤に頼ろうという思いは?

 もうこれ以上…、ううう。私は留置場の中にいたから分からなかったが、自分の犯した犯罪によって報道されている事実を息子たちにもう二度と見せたくない

 ――最後に何か言いたいことは?

 本当に申し訳ありませんでした

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