渡辺監督 涙のV宣言 相馬さん通夜で「思いを必ず果たす」

[ 2013年6月5日 06:00 ]

相馬さんとの最後のお別れをして、遠征先に向かう西武・渡辺監督

 2日に死去した西武のファームディレクター補佐兼育成担当・相馬勝也氏(享年50)の通夜が4日、東京都荒川区の町屋斎場でしめやかに営まれ、渡辺監督は目に涙を浮かべ、08年以来のリーグ優勝と日本一を誓った。

 「本当に長い間ありがとうございました。今年、相馬さんの思いを必ず果たします」。倉敷への移動便を変更し、コーチ、選手らと参列した指揮官は、相馬氏が眠る棺に歩み寄ると「2013・6・2 対巨人戦勝利」と書き入れたウイニングボールを祭壇に手向けた。

 就任1年目で日本一に輝いた08年。相馬氏は1軍バッテリーコーチだった。現役時代から西武一筋32年で、渡辺監督にとっては公私にわたる「戦友」。10年に胃がん手術を受けて11年からフロント入りしたが、その後も西武第2球場では大きく伸びのある声で選手を叱咤(しった)激励してきた。この日は人望の厚さを物語るように600人以上が参列。西武OBで現在は米国でプレーする松坂や中島からも献花が届いた。

 相馬氏は野球だけでなく、若手選手に社会人としての礼儀も叩き込んだ。野上が「特にあいさつに厳しかった。目を見てあいさつしないと怒られた」としんみり話せば、現在は故障で離脱中の中村は「厳しい方だったけど、優しさや温かさがある人だった」と故人をしのんだ。

 あの野太い声はもう聞けない。「今の西武に相馬さんの力が本当に大きかったと感じる部分が多々ある」と渡辺監督は言った。悲しみをこらえ、5日からの阪神戦(倉敷、甲子園)に臨む。天国の相馬氏に優勝を報告することが最高の供養となる。

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