十三代目市川團十郎白猿「歌舞伎のために、歌舞伎と共に生きられる團十郎となれるよう、日々精進する覚悟」

[ 2022年10月31日 20:16 ]

東京・歌舞伎座で襲名記念特別公演を行った市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿(中央)、堀越勸玄くん改め八代目市川新之助(左)、後見の松本白鸚
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 歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)が、31日に十三代目市川團十郎白猿を襲名。東京・歌舞伎座で襲名記念の特別公演が行われ、團十郎としての初舞台となった。11月1日も特別公演が行われる

 9年ぶりに復活した大名跡。公演では襲名披露公演(11、12月)の出演俳優らによる「顔寄せ手打式」が行われた。十三代目市川團十郎白猿は「大きな名跡を相続するからには、歌舞伎のために、歌舞伎と共に生きられる團十郎となれるよう、日々精進する覚悟です」とあいさつ。満員の観客が大きな拍手を送り、尾上菊五郎が十三代目の誕生を祝って一本締めの音頭を取った。

 <「勧進帳」に出演 勸玄くんは来月「新之助」初舞台>海老蔵改め十三代目團十郎は、31日から2日間開催される特別公演で「勧進帳」に出演する。その後、11月7~28日の「十一月吉例顔見世大歌舞伎」、12月5~26日の「十二月大歌舞伎」と歌舞伎座で襲名興行が続く。来年1月には東京・新橋演舞場で「市川團十郎襲名記念プログラム」と銘打ち「初春歌舞伎公演 SANEMORI」を上演する。長男の堀越勸玄くん(9)は、11月の公演が八代目市川新之助としての初舞台となる。

 【「市川團十郎」とは】400年以上続く歌舞伎の歴史の中、「市川團十郎」という名跡は、約350年間江戸歌舞伎を引っ張ってきた。その象徴となるのが「荒事」と呼ばれる豪快で迫力のある芝居。江戸時代初期に活躍した初代は「荒人神(あらひとがみ)」と呼ばれ崇拝の対象に。屋号の「成田屋」も、子に恵まれなかった初代が千葉県成田山新勝寺で子宝祈願を行い、その後二代目を授かったことに由来する。

 「見れば1年間無病息災」として知られている「にらみ」も成田屋に伝わる見得の一つ。新勝寺が祭る不動明王にそのルーツがあると言われている。

 現在まで伝わる演目の多くを歴代の團十郎が作ってきた。七代目が「歌舞伎十八番」を制定し、その後「劇聖」と称された九代目が「新歌舞伎十八番」として現在の形へと継承した。

 今回、海老蔵が名乗る「白猿」は五代目が俳句を作る時に名乗っていた名前。十三代目の襲名にあたり海老蔵は「祖父や父たちの足元にも及ばないという気持ちを込めた」とその由来を語っている。

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