西武と中日でトレード成立 川越誠司と高松渡 PL出身の両指揮官がBクラスから巻き返しへ

[ 2023年7月18日 12:00 ]

中日の高松(左)と西武の川越
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 西武と中日が1対1の交換トレードを成立させたことが18日、分かった。西武からは川越誠司外野手(30)、中日は高松渡内野手(24)の野手同士の交換となった。近く両球団から公式発表される。

 西武がチームスローガンの「走魂」を加速させる補強に踏み切った。松井監督は初のトレードで50メートル5秒8の俊足が武器で、内外野守れるユーティリティープレーヤーの高松を獲得する。

 21年はキャリアハイとなる78試合に出場。代走は40試合で15盗塁を記録してブレーク。「足のスペシャリスト」として輝きを放った。しかし、昨年は前年を下回る51試合、今季はここまで23試合出場と出場機会が減少していた。それでも、4秒を切れば俊足と言われる一塁到達タイムで高松は平均3・8秒台。最速3秒53を計測したこともある。

 チームは両リーグ2位の53盗塁。ストロングポイントをさらに加速させられる。

 西武の代走には金子が控えていたが、前半戦の終盤に打撃が復調してスタメン起用が増えた。そのため、「代走の切り札」が不足していたチームの補強ポイントと合致する。また、二塁手の後継者育成も急務。今季二塁の先発出場は全83試合中80試合が外崎で、平沼が3試合。途中出場では佐藤龍の2試合だけと手薄だった。若手内野手はドラフト6位の児玉、滝沢らがいるが、打撃が課題で現在は2軍暮らし。主に二塁手の高松は21年に1、2番で計23試合に先発するなど打率・250をマークした経験値も魅力だ。

 最下位に沈む中日は課題の得点力不足解消に動いた。

 チームの244得点、39本塁打はともにリーグワーストで、長打力が売りの川越はまさに補強ポイントと合致。21年は自己最多63試合出場で5本塁打、昨年も50試合出場ながら打率・259、2本塁打で長打率は・381は魅力だ。今季西武の外野陣は世代交代が進み、高卒7年目の鈴木、21歳の長谷川、ドラフト1位・蛭間らの台頭で出場機会が限られた。それでも、ファームでは打率・292、7本塁打とまだまだ長打力は衰えていない。

 PL学園出身の両指揮官がBクラスからの巻き返しへ挑む。
 
 ◇川越 誠司(かわごえ・せいじ)1993年(平5)6月30日生まれ、札幌市出身の30歳。豊平小2年から野球を始め、北海では3年時に4番として春夏連続甲子園出場。高校卒業後は消防士を目指すも試験に不合格で北海学園大に進学。1年春から主砲を務め、3年春から投手を兼任した。15年ドラフト2位で西武入団。投手として入団したが3年間で1軍登板はなく、19年1月に外野手に転向。プロ通算10本塁打。1メートル74、80キロ。左投げ左打ち。
 
 ◇高松 渡(たかまつ・わたる)1999年(平11)7月2日生まれ、兵庫県出身の24歳。滝川二では持ち前の俊足から「滝二のイチロー」の愛称で、高校通算11本塁打のうち9本がランニング本塁打。17年ドラフト3位で中日入団。1軍デビューの19年から主に代走での起用。1メートル77、75キロ。右投げ左打ち。

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