筑前7年ぶり16強　岸本―久保で零封リレー　東福岡撃破の勢いそのまま「新しい歴史塗り替えられたら」

第105回全国高校野球選手権福岡大会４回戦   筑前２―０古賀竟成館 （ 2023年7月17日    久留米 ）

＜古賀竟成館・筑前＞晴れやかな表情で校歌を歌う筑前ナイン
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　福岡大会は4回戦の4試合が行われた。筑前は古賀竟成館に2―0で勝利し、2016年以来7年ぶりの16強進出を決めた。先発した公式戦初先発の岸本拓実投手（2年）が6回無失点の好投。2番手の久保大翔投手（3年）との零封リレーで締めた。守備も無失策の堅守が光った。

　体を少し反らせながら校歌を歌う筑前ナインはこの日の久留米の空のように晴れやかだった。充実感に浸ったひとりが公式戦初先発だった岸本。昨秋の県大会は自らが打たれた影響もあり敗れていた。6回2安打無失点の好投に「先輩たちの夏を終わらせたくない強い気持ちだった」と息をついた。

　春からの成長を感じていた永松義文監督から先発に指名されて燃えた。直球とスライダーをコーナーに投げ込み相手打線を手玉に取った。「頼もしい先輩方が投手で控えているので」と飛ばしていったという。今年の4月に右肘を痛めて約1カ月間離脱。足腰を鍛えつつ、フォームを改良した。手投げ気味だったが、重心をためることを意識して投げるようになり、最速は10キロ以上アップして129キロに。パワーアップした右腕が成長した姿を見せた。

　2番手の久保も負けていない。直球とスライダーを武器に力投。8回1死満塁のピンチはスライダーで相手の4番を併殺に打ち取った。「下級生に負けられない気持ちがありました」と喜んだ。

　チームは初戦で昨秋の九州大会に出場し、V候補の一角にも挙げられていたシードの東福岡を撃破した。「自分たちがやれると再確認できたのかな」と指揮官は確かな手応えを口にする。19日の5回戦は真颯館。7年前に同じシチュエーションではね返された因縁の相手だ。チームの最高成績は16強だけに「次勝ってベスト8に入って、筑前の新しい歴史を塗り替えられたら」と久保。激戦の福岡の夏を筑前がさらに熱くする。（杉浦　友樹）