【スポニチスカウト部(24)】日大藤沢・田上優弥 日本一の打てる遊撃手に

[ 2023年7月18日 06:00 ]

打てる遊撃手として注目される日大藤沢・田上
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第24回は日大藤沢(神奈川)の田上優弥内野手(3年)。ドラフト戦線において貴重な強打の右打ち遊撃手は、プロ入りを熱望している。 ドラフト速報

 この夏、神奈川の「打てる遊撃手」に熱視線が注がれている。1メートル82、81キロの恵まれた体から攻守に躍動感あふれるプレーを見せる田上をチェックしようと、神奈川大会の初戦からネット裏には複数球団のスカウトが視察に訪れた。注目の進路は「夢を与えられるようなプロ野球選手になりたい」とプロ一本に絞った。

 バッターボックスに立つたび思い出す言葉がある。小6で有望選手だった田上は地元のDeNAジュニアに選出された。そこで現役時代に横浜で2度の首位打者を獲得した鈴木尚典氏(現DeNA1軍打撃コーチ)に出会った。授かったアドバイスは「とにかく早めにトップをつくれ」とシンプルなものだったが、実践すると対応力は一気にアップした。

 それまで速球を苦手にしていた田上。早いタイミングでトップをつくることで直球を迎え打つ余裕が生まれた。どんなに快速球が来ても打ち崩す速球キラーの原点は「ハマの安打製造機」から授かった金言だった。「まさか、鈴木さんと小学生の時から関われるとは思っていなかった。できることならばもう一度、教えてもらいたいなと思います」と目を輝かせる。

 12日に行われた平塚江南との神奈川大会では2安打をマークし、コールド勝利に貢献。視察したDeNA・稲嶺茂夫スカウトは「右打ちで打てる内野手は貴重。パンチ力があり、バッティングが伸びていく期待を感じる。志が高く練習に対する態度も良いと聞いています」と評した。

 甲子園出場とプロ入りへのアピールの二兎(にと)を追う夏。「甲子園への思いが強い。日大藤沢の歴史を変えたい。プロ野球で夢を与えられる選手になりたい」。ギラギラした野心を隠そうともしなかった。(柳内 遼平)

 ≪“元同僚”でライバル 大阪桐蔭の遊撃手小川大地に「勝ちたい」≫17年のDeNAジュニアではエースとして背番号1を背負った田上。背番号18だった小川大地は同じ遊撃手として大阪桐蔭に進学。今春の選抜では主に「1番・遊撃」で4強入りに貢献した。現在でも2人の友情は続き、年末年始は一緒に遊ぶこともあるという。「日本一の遊撃手になる上でのライバル。勝ちたい」と田上。最終目標はプロとなって、ライバルと決着をつけることだ。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月18日のニュース