広島・床田 NPB投手初バウアーから2安打 トップタイ8勝だけじゃない新米パパ打って走って躍動

[ 2023年7月18日 06:03 ]

セ・リーグ   広島2―1DeNA ( 2023年7月17日    横浜 )

<D・広>ヒーローインタビューを終えガッツポーズの床田(撮影・島崎忠彦)
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 広島・床田寛樹投手(28)が17日、DeNA戦で6回2/32安打1失点の好投でリーグトップタイの8勝目を挙げた。昨年に並ぶ自己最多の8勝目をマーク。打撃でも今季2度目のマルチ安打と奮闘した。NPB投手が20年サイ・ヤング賞右腕・バウアーから複数安打を記録するのは初。投打の活躍でチームは今季3度目の5連勝でDeNA戦は6連勝だ。貯金は19年6月17日以来となる今季最多の9に伸ばし、リーグ2位で前半戦を終えた。

 床田に笑顔はなかった。2―1の7回1死二塁で大和を一邪飛に抑えた直後に降板。1点優勢の場面とはいえ、得点圏に走者を置いた状況でマウンドを去ったことに悔しさが残った。

 「(7回は)先頭に四球を出したので、自分が悪い。次はそういうの(先頭打者への四球)がないようにしてイニングを投げきれるように頑張りたい」

 この夜は昨年7月以来となった中5日での登板だった。初回1死二塁から佐野に先制の左前適時打を献上。しかし2回から5イニング連続で相手打線を3者凡退に封じた。結果的には降板するまで無安打で抑え、6回2/32安打1失点と好投した。

 打撃でも貢献した。まずは5回無死からの第2打席。バウアーが投じた151キロを右前に運んだ。自らのバットで反撃の起点をつくると、無死二、三塁から野間の二ゴロの間に同点の生還。同点の7回にはチェンジアップを中前にはじき返した。中堅手の失策も絡んで二塁まで進み、秋山の右前打では恐怖心にも打ち勝ち決勝の得点を刻んだ。

 「(7回は)きつかったし、怖かったけど、絶対に(本塁に)還ろうと思っていた。あまり足のことは気にせず走っていた」

 昨年8月3日のDeNA戦では一塁への走塁の際に「右足関節(そくかんせつ)」を骨折した。苦い思い出が残る地で今季2度目のマルチ安打に加えて2得点と躍動。NPB投手が20年サイ・ヤング賞右腕・バウアーから複数安打を記録するのは初めてだった。

 実はチームメートの勇姿が大きな刺激となっていた。6月28日のDeNA戦(マツダ)で森下がプロ1号の決勝3ランを記録。「(凄すぎて映像を)20回ぐらい見返した。僕も打ちたい」。自身初の本塁打はお預けとなったが、投打で勝利に大きく貢献した。

 6月9日には第1子となる長女が誕生した。誕生後は広島と岐阜で離れて生活。しかし、近日中には愛する妻子が広島に戻ってくることが決まったことも、大きな力となった。前半戦で昨年の自己最多に並ぶ8勝。「1試合でも多く勝てるように頑張りたい」。新米パパはたくましさを増した。(長谷川 凡記)

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