山形中央・武田陸玖 高校No・1二刀流がサヨナラ呼んだ!同点弾&2失点完投 「とにかく全力でやった」

[ 2023年7月18日 04:30 ]

第105回全国高校野球選手権山形大会準々決勝   山形中央3―2鶴岡東 ( 2023年7月17日    ヤマリョー )

<山形中央・鶴岡東>自己最速タイの147キロをマークした武田陸(撮影・柳内 遼平)
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は17日、41大会で247試合が行われた。山形大会では高校No・1の二刀流と呼び声が高い山形中央・武田陸玖(りく)投手(3年)が、自己最速タイの147キロをマークするなど9回7安打2失点と好投。打っては1点を追う8回に逆方向となる左翼席へ同点弾を放つ活躍で、チームをサヨナラ勝ちに導いた。

 輝く太陽に届け、とばかりに「ビッグフライ」を打ち上げた。1点を追う8回2死。二刀流の2番・武田陸が左打席へ向かった。1メートル73、75キロの主砲がスライダーを捉えると、白球は逆方向の左中間席へ。9回のサヨナラ勝利につながる高校通算31号に「言葉が出ない…うれしいという一言しかない」と拳を握りしめた。

 1人でゲームを支配する。それは二刀流だけに与えられる特権だ。21年夏、22年夏に敗れていた鶴岡東とのリベンジマッチ。その宿敵相手に投打でノリノリだった。投げては7安打2失点で完投。自己最速タイの147キロをマークした直球、打者の手前で急激に変化するスライダーで7三振を奪い「とにかく全力でやっただけです」とほほ笑んだ。

 打者としても文句なしの逸材だ。2点を追う4回は右翼線二塁打で出塁し、三塁への進塁後に暴投で生還。6回は右前打、そして仕上げは8回の同点ソロとチームの7安打中3安打をマーク。「とにかく負けない」と気持ちをバットに込めた。

 打力のある投手ではなく本物の二刀流だ。ネット裏では7球団のスカウトが視察。日本ハム・白井康勝スカウトは「真っすぐ、変化球ともに良い。打撃も1人だけ雰囲気が違う」と高評価を与えた。プロ入りを熱望する武田陸は「やれるなら(二刀流を)やりたい」とプロでも二兎(にと)を追う考えだ。

 エンゼルス・大谷が道を切り開き、日本ハム・矢沢が続いた二刀流ロード。今年は武田陸がその道へ。14年夏以来の甲子園出場は、輝ける未来への通過点に過ぎない。(柳内 遼平)

 ◇武田 陸玖(たけだ・りく)2005年(平17)6月6日生まれ、山形県天童市出身の18歳。成生小1年時に成生ファイヤードラゴンズで野球を始める。天童四中では軟式野球部に所属。山形中央では1年春からベンチ入り。憧れの選手はブルージェイズ・菊池。1メートル73、75キロ。左投げ左打ち。

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