侍・正尚、逆転打からの5打点 「オオタニサン」だけじゃない、“5番”メジャー侍が存在感

[ 2023年3月11日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本13ー4韓国 ( 2023年3月10日    東京D )

<日本・韓国>3回、吉田は逆転の2点適時打を放つ(撮影・沢田 明徳)
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 海を渡った侍が、ジャパンを救った。5番・吉田が3安打5打点の大暴れで、村上の不振をカバーした。

 「もう開き直って。ムネ(村上)が凡退して、逆にしゃあないやろって」。3回に1点差に迫り、なおも大谷が申告敬遠されて無死満塁の絶好機を迎えるも、村上が力ない遊飛。反撃の機運がしぼみかねないところで、一振りで振り払ってみせた。

 カウント1―1から元兌仁の外角128キロチェンジアップを捉え、逆転の2点中前適時打。一塁を回り両手を上げた。昨年の日本シリーズ第5戦でヤクルト・マクガフからサヨナラ弾を放った際にも見せた万歳ポーズ。77年にハンク・アーロンの世界記録を抜く756号を放った巨人・王貞治のパフォーマンスを再現したときと重なるシーンだった。

 2点リードの5回1死三塁でも貴重な右犠飛を放ち、さらに5点リードの6回1死一、二塁でも右前適時打。1試合5打点は、WBCでは侍ジャパン最多タイ記録となった。06年の第1回大会で世界一に導いた王氏も見守る前で、中軸としての役割を完遂した。

 1学年下の大谷は海を渡る前から常に意識する存在だった。「やっぱり一番意識するのは大谷くんですよね。投げても凄いですが、打者としても超一流。やっぱり負けたくない気持ちはあります」。昨季終了後、ポスティングシステムを申請してレッドソックスと契約し、大谷と同じ世界最高峰の舞台へたどり着いた。「あっちへ行ったらオオタニサン、オオタニサンばっかりなので。偉大さを感じます。同じ日本人として誇りに感じるし、そういう選手とともにプレーできるのは光栄なこと」。現地実況を引き合いに尊敬の念を込めてオオタニサンと呼ぶ。

 「この韓国戦は非常に大事だったと思う。残り2つ連勝できるように」。日本が世界に誇る二刀流侍に劣らない輝きを、背番号34が放った。(阪井 日向)

 ≪WBC日本代表では4人目最多タイ≫吉田(レッドソックス)が3安打5打点の活躍。日本代表でのゲーム5打点以上は、6日強化試合の阪神戦で大谷(エンゼルス)が6打点をマークして以来。WBCでは06年1次ラウンド・中国戦の西岡(ロ)、13年2次ラウンド・オランダ戦の長野(巨)、17年2次ラウンド・オランダ戦の中田(日)に並ぶ4人目の最多タイ記録になった。なお、吉田の日本代表でのゲーム5打点は19年3月10日の強化試合・メキシコ戦で5打点して以来。

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