侍・ダル「感謝」1勝 3回突如乱れ被弾も14年ぶり勝利投手「大歓声がありがたかった」

[ 2023年3月11日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本13ー4韓国 ( 2023年3月10日    東京D )

<日本・韓国>2回、三振を奪って雄叫びを上げるダルビッシュ(撮影・白鳥 佳樹)
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 宿敵相手の登板は、胴上げ投手となった09年大会の決勝以来。WBCでの勝利投手も、その試合以来14年ぶりだった。ダルビッシュは「日本で投げることを特別に感じた。こういう機会は最後かもと思って投げた」と感慨深げだった。白星よりも、12年ぶりに日本で投げた48球そのものに意味があった。

 今年初の実戦マウンド。初回の初球は、09年に世界一を決めたスライダーでストライクを奪った。初回、2回は連続3者凡退。だが、3回無死二塁から、8番の梁義智(ヤン・ウィジ)に「スライダーが甘く入った」と先制2ランを浴びた。

 大リーガーで唯一、宮崎合宿から参加。36歳は「本当の友達のように」と全員に接し、かつての緊張感漂う代表合宿の雰囲気を和やかに変えた。「宇田川さんを囲む会」とした投手陣との食事会から、野手陣の食事会にも参加。時にはスワンボートに乗る姿をSNSに投稿するなど侍の一体感をつくり上げた。

 腕時計は、帰国してからも日本から17時間遅れのサンディエゴの時間に合わせたままだ。かつてはやんちゃで孤高な面もあったが、年齢を重ねて変わった。レスリング元世界女王の聖子さんと結婚し、家族に恵まれた。「子供たちはもう起きたかな」「何してるかな」。宿舎ではそう考えながら過ごす。宮崎合宿で14年ぶりに侍のユニホームに袖を通したのは、家族とテレビ電話をしながらだった。

 3回は村上の失策も絡み、李政厚(イ・ジョンフ)に右前適時打も浴び3回3安打3失点。それでも「感謝も込めて投げた。生まれ育った国でありがたかった。一秒一秒が宝物になっている」と心からうれしかった。

 ▽ダルビッシュの09年WBC 1次ラウンド初戦の中国戦に先発し、4回無安打無失点で勝利投手。2次ラウンドでは韓国戦に先発し5回4安打3失点で敗戦投手となった。準決勝からは抑えに回り、米国戦の9回に登板し1回1安打無失点で試合を締めた。決勝の韓国戦では1点リードの9回から登板。四球絡みで同点に追いつかれたが、延長10回に打線が2点を勝ち越すと、最後の打者から空振り三振を奪い、日本の2大会連続世界一に貢献した。

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2023年3月11日のニュース