阿部詩 五輪金対決制し復活V 1年ぶり国際大会でパリのライバル圧倒

[ 2022年7月17日 05:10 ]

柔道 グランプリ・ザグレブ大会第1日 ( 2022年7月15日    クロアチア・ザグレブ )

女子52キロ級で優勝し、表彰台で笑顔の阿部詩(左から2人目)(国際柔道連盟提供)
Photo By 共同

 男女計5階級が行われ、女子52キロ級で東京五輪以来約1年ぶりの国際大会復帰となった阿部詩(22=日体大)が優勝した。昨秋の両肩手術後初の実戦となった4月の全日本選抜体重別選手権は途中棄権も、この日は5試合中4試合で一本勝ち。3度目の制覇が懸かる世界選手権(10月、タシケント)へ、上々の本格復帰を果たした。

 初戦からエンジン全開だった。デグチ(カナダ)との1回戦は開始12秒、内股一本で“瞬殺”。2回戦もブラジル選手を17秒で仕留め、あらゆる不安を払拭してみせた。

 決勝は東京五輪の48キロ級を制したクラスニチ(コソボ)との金メダリスト対決。序盤は激しい組手争いが続いたが1分40秒過ぎ、右の釣り手を相手の右肩越しで背中に回し、大外落としで技あり。そのまま抑え込み、24年パリ五輪でも52キロ級で参戦するとみられるライバルとの4年5カ月ぶりの対戦を制した。

 「約1年ぶり(の国際大会)ということで、いろんな緊張、不安がある」。出国前、本人がそう語り、女子代表の増地克之監督も「まだ100%ではない。今の肩の状態でもそれなりに戦えると判断した」と言及。より肩に負担のかかる担ぎ技は5試合通じて出なかったが、引き出しの多さを示し、逆に強さの際立つ結果となった。

 14日に22歳になったばかり。1日遅れで自ら誕生日を祝う、最高の日になった。

 《女子48キロ級は古賀V》女子48キロ級は古賀若菜(山梨学院大)が5試合オール一本勝ちで優勝。決勝ではフランス選手を相手に開始32秒、絞め技で一本を奪うなど隙のない柔道を披露。国内では3番手だが、パリ五輪へ向け9カ月ぶりの国際大会制覇で成長の跡を見せつけた。男子60キロ級では古賀玄暉(旭化成)が3位に入った。

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