関学大 リーグ連覇へ順調発進 鳥内監督は今季限りで退任

[ 2019年9月1日 19:23 ]

関西学生アメリカンフットボール1部リーグ   関学大31―7同大 ( 2019年9月1日    王子スタジアム )

<関学大・同大>試合後、渋い表情で取材に応える関学大・鳥内監督(撮影・亀井 直樹)
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 名将のラストイヤーが快勝劇で始まった。関西学生アメリカンフットボール1部リーグは1日、神戸市の王子スタジアムで1試合を消化。昨年の学生日本一、関学大が同大を31―7と下し、今季限りで退任する鳥内秀晃監督(60)の花道を飾るリーグ連覇へ、順調に滑り出した。

 独特な空気がフィールドに流れるシーズン初戦。思わぬアクシデントに、いきなり関学大のベンチが凍りついた。第1Q、2度目のシリーズ。最初のプレーで、QB奥野耕世(3年)が正面からまともにタックルを受け、その場に倒れ込んだ。担架で運ばれ、司令塔は平尾渉太(2年)に交代。昨年、日本中を騒がせた「日大タックル騒動」とは全く異なる状況でも、あの時と同じエースの退場劇はチームのムードを重くした。

 ただ、王者の、そして奥野の底力はこんなものではない。このシリーズで先制TDを奪い、ディフェンスが同大を抑え込んだ直後の攻撃では、背番号3が戻ってきた。第2Q2分21秒に13ヤードのTDパス。ロングパスに昨年のような正確性は見られなくても、落ち着いたタクトでオフェンスをリードした。

 「最後の1年?もう、ええわ。誰のためにやってるねんって話。選手は勝つためにやったらええねん」

 鳥内監督は区切りの28年目を「特別な1年」と位置づけていない。フラットな気持ちで目指す学生日本一の頂。勝つ喜びを知る軍団が、それぞれの目標のために一つになる。

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