素根 五輪3大会連続メダリスト撃破で金!女子78キロ超級に19歳新星

[ 2019年9月1日 05:30 ]

柔道 世界選手権第7日 ( 2019年8月31日    東京・日本武道館 )

<世界柔道選手権>女子78キロ超級決勝、オルティスに果敢に攻め込む素根(左)(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 女子78キロ超級は素根輝(19=環太平洋大)が決勝でイダリス・オルティス(キューバ)を破り、初出場初優勝を果たした。来年の東京五輪代表を争う朝比奈沙羅(22=パーク24)は銅メダル。通算5勝3敗の年上ライバルとの直接対決は実現しなかったが、結果と内容で選考レースでも大きなアドバンテージを奪った。男子100キロ超級の原沢久喜(27=百五銀行)は決勝進出も、ルカシュ・クルパレク(チェコ)に敗れて銀メダルだった。

 過去2年、団体戦代表として指をくわえて見守るしかなかった畳に立ち、一気に頂点まで上り詰め、そして感涙した。52キロ級の阿部詩と同学年にして盟友の素根が、個人戦初出場初優勝の快挙。19歳の新女王は「優勝を目標にずっと練習してきた。厳しい戦いばかりだったが良かった」と喜びをかみ締めた。

 1メートル62、110キロ。国際大会では自分よりも小さな相手は一人もいない。ゆえに上からかぶされるよう組まれ、先に指導を受けるのが長年の課題だった。欠点を補うために突き上げるような左釣り手を鍛え、引き手の技術も磨いた。この日は準決勝までの4試合で先に指導を受けた試合は皆無。「自分のペースで試合を進めることができた」と自身の成長に大きくうなずいた。

 決勝の相手のオルティスには先に指導2で追い込まれたが、逆境をはね返す力も備わっていた。その後は前に出て圧力をかけ、五輪3大会連続メダルのベテランを後退させた。延長1分すぎに指導2で並ぶと、さらに3分後、息が上がった相手がたまらず場外に出て決着。8分超えの決勝は、計15回の「待て」が掛かる反復運動の消耗戦。「とにかく何か技を掛けようと思った」と無尽蔵なスタミナを生かし勝負を決めた。

 直接対決となるはずだった準決勝を前に、ライバルの朝比奈が敗戦。初対戦から3連敗後、5連勝中の相手を分かりやすく突き放す絶好機だったが、対戦は実現しなかった。ただ、4月の代表選考時に「横並び」と言っていた女子日本代表の増地克之監督は「五輪争いで一歩リードした」と太鼓判を押した。

 11月のグランドスラム大阪大会に勝てば、五輪代表内定の権利を得る。「たくさんの人に支えてもらっている。一番大きな恩返しは五輪の金メダル」と言った素根。スタンドから声をからした家族や仲間のためにも、一気に切符を射止める。

 ▽東京五輪への道 代表選手の準備期間確保を重視した3段階方式。今回の世界選手権優勝者が11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、全日本柔道連盟の強化委員会で出席者の3分の2以上が賛成すれば決定。第2段階は12月のマスターズ大会(中国)と来年2月の欧州でのGS2大会を終えた時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然と判断すれば選ばれる。最終選考会は4月の全日本選抜体重別選手権となり、強化委の過半数の賛成で代表が決まる。

 ◆素根 輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日生まれ、福岡県久留米市出身の19歳。7歳から柔道を始める。17年から全日本選抜体重別選手権を3連覇中、18年に史上初の初出場初優勝を果たした全日本女子選手権は2連覇中。昨年はアジア大会、ワールドマスターズを制覇。現在は環太平洋大1年。1メートル62、110キロ。左組み。得意技は大内刈り、体落とし。

続きを表示

この記事のフォト

「渋野日向子」特集記事

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」特集記事

2019年9月1日のニュース