羽生 銀 大歓声背に炎のフリーも無念 未到領域へ「強くなりたい」

[ 2019年3月24日 05:30 ]

フィギュアスケート 世界選手権最終日 ( 2019年3月23日    さいたまスーパーアリーナ )

<世界フィギュア男子フリー>気迫あふれる演技を見せた羽生(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位の羽生結弦(24=ANA)はほぼノーミスの演技で206・10点をマーク。合計300・97点も含め、ルール改正後の世界最高得点をマークしたものの、直後にフリー、合計とも世界記録を更新したネーサン・チェン(19=米国)に22・45点差をつけられ、銀メダルに終わった。来季以降の逆襲を誓った羽生らは、24日のエキシビションに登場する。 写真特集

 大歓声が、何度でも羽生をよみがえらせる。「Origin」を演じきると、右拳でガッツポーズ。柔らかな笑みを浮かべ、右拳を氷に叩きつけた。フリー206・10点、合計300・97点は、その時点の世界最高だった。

 「ただいまー!」

 復帰戦を終え、歓喜の雄叫び。だが、重圧を与えたはずのチェンが直後に上回った。

 「負けには負けという意味しかない。はっきり言って、自分にとっては負けは死も同然と思っているので…。本当に勝ちたい」

 ベストは尽くした。切り札として選択した冒頭の4回転ループは完璧。4回転サルコーは回転不足となったが、羽生にしかできない超高難度の4回転トーループ―3回転半を成功させるなど、自国開催の銀盤を戦い抜いた。「時間がある限り、できることをした」。ステップで手拍子を誘い、観衆をとりこにした。

 右足首の負傷から復活を目指す途上の今年1月。全米選手権でチェンが非公認ながら342・22点を叩きだす演技を見た。「この演技に勝ちたい」。その思いが空白の120日以上の時間を支えた。平昌五輪以来となった直接対決に敗れ、通算対戦成績は4勝3敗となった。「地力が足りない。彼へのリスペクトがあるからこそ勝ちたいと凄く思う」。最強ライバルが、羽生を突き動かす。生粋の勝負師だからこそ、心から勝利を欲した。

 五輪連覇の男は、前人未到の領域を目指す。「得点源になるジャンプを増やさないと。アクセルをやるならフリップもやらないと」。ループ、サルコー、トーループ3種類を操り、昨季は4回転ルッツも成功。2年連続で痛めた右足首の状態を見極めながら、来季挑戦を明言している4回転半にフリップを加え、全6種類の4回転を跳ぶ挑戦も視野に入れた。

 力強いカムバックを印象づけたことは確かだが、2年ぶり3度目の世界選手権制覇とはならず。頂点から引きずり下ろされた王者は言った。

 「とにかく強くなりたい」――。

 その飢餓感が、さらなる成長の糧となる。 

続きを表示

この記事のフォト

「大坂なおみ」特集記事

「羽生結弦」特集記事

2019年3月24日のニュース