稀勢が黒星発進、初の全休明けで感覚にズレ 立ち合い3度合わず

[ 2017年11月13日 05:37 ]

大相撲九州場所初日   ●稀勢の里―玉鷲○ ( 2017年11月12日    福岡国際センター )

初日、玉鷲に押し出される稀勢の里(左)
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 3場所連続休場からの再起を期す横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が黒星発進となった。名古屋場所5日目以来、122日ぶりの本場所の土俵で、不戦敗以外では負けていなかった西前頭筆頭・玉鷲(32=片男波部屋)に押し出された。稀勢の里は5個目の金星配給で、全休した秋場所を除いて出場3場所連続で初日に敗れた。新小結・阿武咲(21=阿武松部屋)は秋場所に続き横綱・日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)に土をつけた。

 東の花道を引き揚げる際、稀勢の里は下がりを持った右手を高く上げた。そのまま叩きつけそうになって、なんとかこらえた。勝っても負けても感情を表に出さない横綱が黒星発進に悔しさをにじませた瞬間だった。

 自身初の全休明け。初日に向け「平常心で迎えられれば」と話していたが、独特の緊張感のある初日はやはり勝手が違った。立ち合いで呼吸が合わなかったのは3度。最初に自分が突っかけ、2度目と3度目は玉鷲に突っかけられた。4度目は右から張って左を差したが、得意の形になっても攻めきれない。いったん離れると左おっつけで出たが、押し返されると上体が起きて後退。不戦敗以外は9連勝していた相手に初めて土をつけられた。取組後は審判部に足を運び、待ったが続いたことについて伊勢ケ浜審判部長代理(元横綱・旭富士)に「すみませんでした」と謝罪した。

 「まあ、いい感じでやれた。状態はそんなに悪くない」。支度部屋では前向きな言葉を口にしたが、周囲の目は厳しい。八角理事長(元横綱・北勝海)は「上体だけで取っている。手だけでおっつけて、足が出ていない。慣れてくれば足に力が入ってくるが、今はフワフワしている」と指摘した。

 “微妙なズレ”は取組前からあった。横綱土俵入りに要した時間は1分22秒。最近は1分30秒台がほとんどで、名古屋場所4日目の1分25秒を上回る早さだった。所作の「ため」が少なく、どこかにはやる気持ちがあったのかもしれない。

 春場所で負傷した左上腕などに不安を抱えていた夏場所と名古屋場所も黒星発進。そのまま調子が上がらず途中休場を強いられた。2日目は日馬富士を破って勢いに乗る阿武咲が相手。ここで踏ん張らないと、再び休場の文字がちらつく。試練に直面した和製横綱は「切り替えて、また明日」と自分に言い聞かせるようにして引き揚げた。

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