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こだわり旬の旅

【富士御箱】3776m体感!富士山の新たな魅力発信「世界遺産センター」が大人気

[ 2018年6月2日 19:03 ]

展望ホールから見る富士山は一幅の絵画のよう
Photo By スポニチ

 日本一のパワースポット、富士山北麓の静岡県富士宮市に昨年末、「静岡県富士山世界遺産センター」がオープン。連日、大にぎわいを見せている。13年(平25)に世界遺産に登録された富士山を後世に伝えていくための拠点施設で、標高3776メートルを体感できる構造。隣接する御殿場市には農家民宿村もオープン。新名所を求めて富士山麓の街を回った。

 開館2カ月で入場者10万人を超える人気の静岡県富士山世界遺産センター。山梨県側の富士山世界遺産センター(富士河口湖町)に続く施設で総工費約41億円。浅間神社の総本宮、富士山本宮浅間大社のそばに富士山を「永く守る」「楽しく伝える」「広く交わる」「深く究める」ために建てられ、展示棟、特設シアターなどがある北棟、土産店などがある西棟で構成されている。

 目を見張るのは展示棟の外観だ。木格子で組まれた逆円錐形の「逆さ富士」のようなデザイン。その前には約2300平方メートルにわたって水が張られ、正面からは水面に雄大な富士山がそびえ立つように見える。約7000平方メートルの敷地には赤い鳥居をくぐって入るが、斜め右前方には本物の富士山を望むことができ、“2つの富士”が楽しめるというわけだ。

 設計は14年に「建築界のノーベル賞」といわれる米プリッカー賞を受賞し、紙管を使った災害時の復興住宅や仏の文化複合施設「ポンピドゥー・センター・メス」のデザインで知られる坂茂氏。木格子はブランド材「富士ひのき」を使用。それぞれ形の違う8000ピースを組み合わせて造られたという。

 北棟、西棟には目もくれず展示棟へ。全長193メートルのらせん状のスロープを上りながら6つの展示ゾーンを巡っていくと、壁面には四季折々の富士山などさまざまな風景の映像が流れ、「空中を浮遊するような感覚で富士登山を疑似体験することができる」(同センター)のだという。

 展示ゾーンでは、富士山を中心に高山帯から駿河湾までの生態系や古来より美術や文学に表現されてきた富士山を紹介。また、高精細な4K映像を見ることができる映像シアターもあり、歴史、文化、自然などさまざまな角度から富士山を学べる構成になっている。

 最後に最上階の展望ホールに着くと、目の前に本物の富士山がド〜ン。それも壁もガラスもなく、“ナマ富士”はまるで一幅の絵画のよう。テラスに出れば富士宮市街や神田川、そして富士山本宮浅間大社の鳥居なども見下ろすことができ、まさに壮観。富士山も入館前とはまた異なった姿に見え、時間が経つのも忘れるほどだった。

 ▽行かれる方へ JR身延線富士宮駅から徒歩8分。車は新東名道新富士ICから約10分、東名道富士ICから約15分。観覧料300円。問い合わせは静岡県富士山世界遺産センター=(電)0544(21)3776、富士宮市観光協会=(電)同(27)5240。

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