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広島ダブルV決めた!寿人157発!ゴンに並ぶJ1最多

[ 2015年11月23日 05:30 ]

<広島・湘南>J1最多ゴールタイに並んだ佐藤は、ゴール数ユニホームを着て笑顔

J1第2ステージ最終節 広島5―0湘南

(11月22日 Eスタ)
 広島がホームで湘南に5―0と圧勝し、第2ステージ優勝と年間1位を決めた。前半42分に元日本代表FW佐藤寿人(33)がJ1通算157得点目となる8試合ぶりのゴールを挙げ、元日本代表FW中山雅史(47=JFL沼津)の歴代最多記録に並んだ。エースの得点もあって今季の勝ち点は「74」に到達。年間34試合制となった05年以降では史上最多となった。年間1位の広島は年間優勝を争うチャンピオンシップ(CS)で決勝にシードされる。

 紫に染まったスタジアムに、佐藤の絶叫がこだました。「最高です!」。試合後のヒーローインタビュー。重圧から解き放たれたフィニッシャーが喜びを爆発させた。3万3210人の大観衆の前で成し遂げた第2ステージ制覇と年間1位。そして、優勝を決める大一番で偉大な数字に並んだからこそ最高の笑顔があった。

 試合前、一緒に入場した2人の息子にスパイクを触ってもらった。「ゴールを入れられるように念じてもらおうと」。2―0で迎えた前半42分。左サイドを突破したMF清水のクロスに反応し、8試合ぶりとなるゴールを頭で流し込む。スタンドで見守る中山の前で、憧れの存在に並ぶJ1通算最多となる157得点に到達。「きょうスタジアムに足を運ぶと思っていなかった。レジェンドの功績には及ばないが少し近づけた」。得点時に右拳を突き 上げる中山のジャンピングガッツポーズをまねて歓喜を表現しベンチで「157」の数字が入ったユニホームを手渡された。試合中では異例の胴上げでチームメートから祝福された。

 「きょう決めないと来年に持ち越しになってしまう。ホッとしたし、満員のホームで決められて最高にうれしかった」

 身長1メートル70。決して大きくない体で勝負してきた。練習で自らを高めるのはもちろん、ピッチ外でもサッカー中心の生活を送る。「サッカー選手は自分にとっての仕事。いろんな仕事に就いている方も、その仕事を極めるために勉強している。サッカー選手も同じように勉強しないといけない」。自分の得点シーンや海外リーグの映像を見続ける日々。ゴールへの道を常に模索するのと同時に、体重計には一日4、5回乗ってコンディションを維持する。U―22日本代表FW浅野らの台頭がありながら、33歳を迎えた今季も全試合に先発するなど最前線を張り続けた。全ては努力を続けてきた成果だ。

 「体が大きくない選手でもゴールができるし、それはサッカー少年の希望になる。そんな存在になりたい」

 4連勝で年間1位との“2冠”を決め、来季ACLの本戦からの出場権も獲得。年間勝ち点は「74」に到達し06年の浦和などが記録した「72」を上回った。だが、年間王者を決めるCSがあるだけに喜んでばかりはいられない。

 「まだシーズンは振り返られないし、これがフィナーレじゃない。CSでシャーレを掲げたい」。真の王者へ、佐藤が再び走りだす。

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