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広島支える守備のスーパーサブ DF佐々木は代表狙える素材

[ 2015年11月23日 08:30 ]

 広島が最終節の湘南戦に5―0で大勝し、第2ステージ優勝と年間1位を達成した。積み上げた勝ち点は「74」。1ステージ18チーム制となった05年以降では、06年の浦和などが記録した「72」を超え史上最多となった。この日はFWドウグラスがハットトリックを達成するなどゴールを重ね、年間の73得点は18チーム中トップ。元日本代表FW佐藤、U―22日本代表FW浅野ら攻撃陣に注目が集まる一方で、守備陣の貢献度も見逃せない。

 平均で1試合1失点を下回る年間30失点は、18チームで最少。最終ラインを塩谷、千葉、水本が形成し、最後方をGK林が守る。13年からほぼ固められてきた先発布陣は、年を追うごとに安定感を増してきた。J1の監督および選手による投票をもとに決まる「2015Jリーグ優秀選手賞」が最終節終了後に発表され、4人全員が名を連ねたことは、対戦相手も強さを認めた証拠だろう。

 当然、青山と森崎和のダブルボランチや、激しいアップダウンを繰り返す両ワイドの働きも大きい。だが、出場機会が多くない中でも貢献度が高かったのが、甲府から加入したDF佐々木翔(26)だろう。今季は主に途中からの起用で22試合に出場。途中出場の場合はストッパーか両ワイドで主に守備固めを託され、塩谷と水本の負傷離脱時にはストッパーの代役としてフル出場した。

 「体の無理が利く守備」というのが個人的な印象で、主力とそん色ない働きぶりを披露。大学時代は左サイドバックだったように、利き足とは逆の左足でも正確なキックが蹴ることができる。この日は水本の代役としてフル出場し完封に貢献。「ミズくん(水本)がずっと出てきた中でケガをして、自分が最後に出させてもらっている。失態を見せることはできなかった」と安どの表情を浮かべた。

 年代別の代表経験はほとんどない佐々木。だが、足立強化部長は「広島でレギュラーになれれば、日本代表にもなれる選手」と能力に太鼓判を押す。現在の最終ライン3人全員がA代表経験者なのだから、この言葉は決して大げさではない。佐々木の台頭に広島の強さを感じるとともに、派手さはなくても能力の高い選手を的確に補強するのも、広島の強さだと感じさせられた。(西海 康平)

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2015年11月23日のニュース