たけし監督、6年ぶり新作映画は“戦国BL”「凄く奇麗」な大河に対抗!?「自分が撮ればこうなる」

[ 2023年4月16日 04:50 ]

「首」完成報告会見を行った(左から)大森南朋、中村獅童、西島秀俊、北野武監督、加瀬亮、浅野忠信
Photo By スポニチ

 北野武(ビートたけし)監督(76)の6年ぶりの新作映画「首」(今秋公開予定)の完成報告会見が15日、都内で行われた。

 2019年に出版した同名小説を映画化した時代劇。撮影は21年4~9月に行われたが、昨夏に製作のKADOKAWAとの契約上のトラブルなどが報じられ、一時は編集が止まっていた時期もあった。それでも完成にこぎ着け「今回はだいぶ苦労したが、素晴らしい役者やスタッフのおかげ」と殊勝に語った。KADOKAWAの夏野剛社長も「製作費15億円を1社で出した。世界に向けて自信を持って送り出すことができる」と鼻息も荒い。

 戦国時代、織田信長の跡目を狙って戦国武将たちが知略を巡らせる一大活劇。たけしが羽柴秀吉役で主演し、西島秀俊(52)が明智光秀、加瀬亮(48)が信長、浅野忠信(49)が黒田官兵衛をそれぞれ演じる。

 たけしは「NHKの大河ドラマはよく見るけど、凄く奇麗で人間の業、欲、裏切りが描かれていない。庶民を平気で殺すということもないので自分としては面白くない」という不満が発想の起点と説明。武将同士が体を重ねる官能的なシーンもあり「命を懸ける関係なんだから、生と死をバックボーンにした男同士の絡みを描かないのはおかしい。正しくはないかもしれないが、こういう見方もある。自分が撮ればこうなるという成功作だと思う」と自信をみなぎらせた。

 得意のバイオレンス描写については、加瀬が「残酷なシーンでも、監督が描くと品のいい映像に収まっている。ほかの監督と明らかに違う」と感嘆。たけしは「それは私と三池(崇史)監督の違いです。私は教養があって家柄がいいんだと思います」とおどけた。

 同作は、5月16日に開幕する第76回カンヌ映画祭のカンヌ・プレミア部門でのワールドプレミアが決定。「コンペの枠に収まらない強烈な映画ということらしいので、世界的に当たるだろうからひともうけできるな」とほくそ笑んでいた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月16日のニュース