川口春奈 「舞いあがれ!」出演の理由 NHK「明るい未来を印象づけたかった」

[ 2023年3月16日 08:15 ]

連続テレビ小説「舞いあがれ!」で野口若葉を演じる川口春奈(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】俳優の川口春奈(28)が16日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第115回に出演した。

 朝ドラは昨年4月から9月まで放送された「ちむどんどん」でヒロイン・暢子(黒島結菜)の姉・良子を演じて以来、約半年ぶり2回目の出演となった。

 登場したのは、長崎・五島で、ヒロイン・舞(福原遥)の祖母・祥子(高畑淳子)の送別会が行われた場面。祥子が乗っていた船「めぐみ丸」を譲り受けることになった野口若葉(川口)が、めぐみ丸を撮影した写真を手に、遅れて会に駆けつけた。

 制作統括の熊野律時チーフプロデューサーは「素敵な役者さんなので、登場するだけで画面が華やかになった。川口さんは五島出身で、あれだけ活躍されている方なので、どこかで出ていただきたいと考えていた。ご本人も郷土愛がとても強く、五島を舞台としたこのドラマの制作が発表された時からずっと気にして協力できることがあれば協力したいと思ってくれていたようだ。ご出演をお願いすると、とても喜んで出ていただけた」と説明する。

 若葉はこれまで祥子の仕事を手伝ってきた地元の女性という設定。登場シーンで、引退する祥子に「大切な船ば譲ってくださってありがとうございます」と感謝すると、祥子から「船も喜んじょる。また、お客さんを運べるけんね」と声をかけられた。

 熊野氏は「五島の未来を担う若者の役を川口さんに演じていただきたいと考えた。祥子が大事にしてきた船を受け継ぎ、島の人たち、島を訪れる人たちの歴史をこの先へとつなげていく存在。若葉が祥子たちの前で決意を語ることで五島の明るい未来を印象づけたかった。実際に五島では若葉のような若い人たちも暮らしている。あのシーンの向こう側にそれが見えたと思う」と語る。

 若葉は祥子から「めぐみ丸ばよろしくね」と頼まれると、このドラマで繰り返し使われている五島の言葉「およ(はい)」を口にした。

 熊野氏は「リアルに地元の方である川口さんに最後にしっかり『およ』と言っていただいた。川口さんはすんなり物語の五島の人たちに溶け込み、共演者の方々も川口さんが五島出身だと知っているので自然な形で受け止めるお芝居ができた。良い雰囲気の撮影現場だった」と振り返る。

 出演は今回だけなのか、それとも…。最終回に向けて五島のシーンはまだあるだけに再登場が期待される。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2023年3月16日のニュース