豊島九段 コロナからの復帰戦「だいたいの症状がほとんど治っている」 藤井王位との仕切り直し第4局検分

[ 2022年8月23日 19:11 ]

王位戦第4局の対局場検分を行う藤井聡太王位(左)と豊島将之九段(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王位(20)=王将、竜王、叡王、棋聖含めて5冠=に豊島将之九段(32)が挑む第63期王位戦第4局は23日、徳島市の「渭水園」に両者が集い、対局場検分を行った。元々第4局は15、16日に佐賀県嬉野市「和多屋別荘」で予定されたが豊島が新型コロナウイルスに感染したため延期に。第5局が予定された徳島対局が第4局へ繰り上がり、豊島の回復を待って指されることになっていた。

 「多くの方にご迷惑とご心配をおかけして大変申し訳なく思っている。(体温は)37・5度以下になって何日も経ったし、だいたいの症状がほとんど治っていると言っていいと思います」

 豊島は検分後の取材で体調を問う質問にそう応じた。味覚や嗅覚などの異常についても「そういうのはないです」と否定する一方、第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)2次予選決勝で勝利し、7期連続13回目の挑戦者決定リーグ入りを決めた12日夜に発症して以降、「家から全く出なかった。普段とは違う環境だったので、指してみないとどうなるか分からない」との不安も口にした。

 発症後は2日間安静に努め、回復し始めてから休養に研究を取り入れる生活へ移していったという。第1局での勝利から連敗し、7月20、21日の第3局からさらに1カ月以上空いた。「負けが続いているので、きっかけをつかめたら」と意気込みを語った。

 一方の藤井にとって、徳島は前期4勝1敗で豊島からの防衛を決めた思い出の地。「第3局から1カ月以上空く形になった。その間も第4局へ向けて準備してきた。それを生かして一手一手考えて戦っていければ」。先手番で迎えることが決まっていた第4局への自信も垣間見せた。

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2022年8月23日のニュース