コロナ治療薬投与に高いハードル 医師が指摘…医療ひっ迫で時間経過「今投与しても効果ない」

[ 2022年8月23日 21:42 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 医師で国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授が23日、BS-TBS「報道1930」(月~金曜後7・30)にリモートで生出演し、新型コロナウイルスの治療薬をめぐる問題について解説した。

 治療薬は高齢者、基礎疾患がある人が対象で、服用は発症から5日以内、薬は国が管理して医療機関や薬局に配られるが、在庫数には制限がかけられている。入院、死亡リスクを30%下げるモルヌピラビルは、160万人分の確保量に対し、これまで投与されたのは38万4700人。同リスクを89%下げるパキロビッドは、飲み合わせが難しい薬とはいえ、200万人分の確保に対し、わずか2万6200人にしか投与されていない状況だという。

 松本氏によると、患者が発症から5日以内で医療アクセスできないケースが増え、投与へのハードルがさらに高くなっているという。「“いつ発症したんですか?”と聞くと“1週間以上前です”ということで、80代の方とか90代の方がおられるんです。それ(年齢)だけでも処方の対象になるんですが、“何でもっと早く来られなかったんですか?”と聞くと、“電話しても通じなかった。予約が全然取れなかった。我慢して我慢して、ようやく来られました”と言うんです」。そのため、投与の条件から外れてしまったといい、「残念ながら日にちが経っているので、“今投与しても効果ないんですよ”とあきらめてもらうという方が最近、増えてきている印象です」と話した。

 薬はメーカーに連絡すれば、翌日には届けてくれるシステムにはなっているという。ところが、松本氏によると「私が外来で処方していくんですけど、薬剤部から“あと1人分しかありませんよ”と言われてしまって、誰を選ぼうかというのが今の状況です」と、慢性的な薬不足を訴えた。届けられた薬も「その数がまた限定されている」といい、「そうすると、翌日の外来でまた使いますので、その日に使えるのが決まっているということです」と説明した。

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2022年8月23日のニュース