新型コロナ全数把握見直し 医師「別の方法で流行状況を把握する必要が」 移行期間の重要性も訴え

[ 2022年8月23日 19:44 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 大阪大医学部の忽那賢志教授が23日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、政府が新型コロナウイルスの全数把握を見直す考えであることについて私見を語った。

 新型コロナが感染法上の2類とされている現在、全感染者の情報を保健所に報告することが義務づけられている。発生届は重症リスクがない65歳未満の感染者の場合、氏名、生年月日、所在地、電話番号、性別、報告年月日、診断類型の7項目の記入が必要となっている。

 番組では、診療後に発生届のデータをパソコンで打ち込む都内クリニックの医師の様子を紹介。午後10時すぎから作業を始め、途中で寝落ちしながら、翌朝の5時に仕事を終えて帰宅する様子を伝えた。

 全数把握の見直しによって、医療機関の事務作業が減り、医療サービスの充実が期待できる一方、軽症や中等症患者の症状が急激に悪化した場合に即座に対応できなくなる恐れも指摘されている。

 忽那氏は全数把握について「できればした方がいい」とはしつつも、「現実的に対応が困難になってきている。全数把握ができなくなっているとしたら、代わりにどうするのか検討する時期に来てしまっている」と、医療ひっ迫の現状を踏まえてコメントした。

 忽那氏にとって、懸念は流行状況の把握だという。「流行状況が全数把握をしていないとできなくなるので、これまでと別の方法で流行状況を把握する必要がある」とし、特定の医療機関のみから発生届を受ける定点把握などを代替方法として挙げた。

 ルールの改正にも、移行期間の必要性を訴えた。「突然、明日から全数把握をやめますとなると、明日からの流行状況が分からなくなる。やめるにしても、流行状況がまったく分からなくなるというよりは、つなぎの期間を設けて、ある程度把握しながらそういう体制に切り替えていくことが大事」とした。

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2022年8月23日のニュース