広瀬八段 藤井竜王への挑戦に王手 挑決3番勝負で山崎八段に先勝 終盤の大熱戦を制す

[ 2022年8月9日 22:52 ]

広瀬章人八段(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太竜王(20)=王将、王位、叡王、棋聖を含む5冠=への挑戦権を争う第35期竜王戦挑戦者決定3番勝負の第1局が9日、大阪市福島区の関西将棋会館であり、広瀬章人八段(35)が山崎隆之八段(41)に126手で勝利した。2勝で進出する藤井との7番勝負。先勝で王手をかけた広瀬は、「こちらの陣形がバランスを取るのが大変だった。最後は負けにしてしまった気がします」と反省。23日の第2局へ向け、「最終盤のミスは致命的。気をつけて臨みたい」と気持ちを引き締めた。

 振り駒の結果 先手は山崎。戦型は相掛かりへ進んだ。広瀬が優勢で迎えた終盤、山崎の攻めの拠点である銀を、敵陣へ打ち込んだ飛車で獲った一手が甘かったようで形勢逆転。その後、広瀬王に王手をかける飛車打ちを、強く金で弾いた受けの強手が、再び広瀬に流れを引き寄せた。

 広瀬は第31期で挑戦者決定3番勝負を制して7番勝負に進出し、当時の羽生善治竜王から4勝3敗で奪取した。羽生のタイトル獲得通算100期も阻んだが、翌32期で豊島将之名人に1勝4敗で奪われて以来の竜王復位を目指している。7番勝負進出なら一昨年、当時の渡辺明王将に挑み、3勝4敗で屈した本社主催・第69期大阪王将杯王将戦以来のタイトル戦。

 一方、最終盤の好機を生かせなかった山崎は「大チャンスはモノにしないといけない。読みの精度、決断力を上げたい」と巻き返しを誓った。

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2022年8月9日のニュース