ファッションデザイナー・三宅一生さん死去 84歳、肝細胞がんで 「イッセイ・ミヤケ」で世界的に活躍

[ 2022年8月9日 17:50 ]

文化勲章受章の喜びを語る三宅一生さん=2010年10月
Photo By 共同

 世界的なファッションデザイナーとして知られる、三宅一生(みやけ・いっせい)さんが5日、肝細胞がんのため東京都内の病院で死去したことが9日、分かった。84歳。広島市出身。

 1938年(昭和13年)生まれ。中学、高校と美術部に所属。高校卒業後、多摩美術大図案科に進学。在学中からさまざまな賞を受賞し、65年には渡仏しパリ洋裁組合学校で学んだ。その後ジバンシィなどで働き、パリで4年修行した後69年、米ニューヨークへ。70年に日本へ帰国し「三宅デザイン事務所」を設立。71年2月にはニューヨーク市内のデパートに「イッセイ・ミヤケ」のコーナーを開設した。

 73年、「イッセイ・ミヤケ秋冬コレクション」でパリ・コレクションに初参加。衣服の原点である「一枚の布」で身体を包む、西洋や東洋などを意識しない「世界服」は世界の注目を浴びた。着る人の体型を選ばず、しわを気にせず気持ちよく体にフィットする93年発表の「プリーツ・プリーズ」は世界約30カ国で400万枚以上が販売されたという。

 98年に文化功労者に顕彰、99年には米週刊誌「TIME」アジア版で「20世紀最も影響力のあったアジアの20人」に選出された。2010年に文化勲章。09年7月14日付「ニューヨーク・タイムズ」への寄稿で7歳の時に広島での原爆被爆体験を初めて公表。16年には当時のオバマ米大統領の広島訪問を促した。

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